ミストレス〜女たちの秘密〜

毎回ものすごく迫力があります。夫の愛人のことも全て承知しながらも、夫の名誉を守るために全て自分の胸の内におさめて黙っているという芯の強さというのか、妻のプライドというのかが、見ている方にもひしひしと伝わってきます。身に着けておられるお洋服やアクセサリー類も、役柄の雰囲気にピッタリ合っていてとても素敵です。
でもあの女が、夫のみならず息子とまで関係を持っている異常者だとまでは想像してなかったんですね。わかっていて、色々と接触してるのかと思っていましたが。

中流以上の家庭の奥さん演じるにはぴったり。最近は目の下のたるみが著しく、善良な演技でも何か含みを持った演技でもうまく作用しますよね。よく透明感とかナチュラルとか言われる原田知世さんがいますが、私としてはどんな役柄も自然のままであるかのように演じ切る麻生祐未さんでしょ、と感じています。

母役の定番みたいになってきた麻生祐未さん。目の下のたるみが一層母親役にハマリの要素が見えてしまう。濃くないキャラクタ－なのでどのドラマには母役で出ていたとしても「また、この人かぁ」とは思わない。それが本物の実力なんでしょうね。

オールマイティに役をこなせる大女優だと思います。最近は幸薄系の役柄が多いですが、彼女はいかようにも「作れる素材」をもっている素質ある女優さん。ミストレスではサレ妻を演じていますが、目のしたのたるみがサレ妻の疲労を表現するのに役に立っている気がします。めったに悪女を演じることが無いので腹黒い悪女役も見てみたいものです。

主役（？）の４人なんてかすむほど、シリアスで迫力のある演技。息子との３人の食事シーンでの視線の送り方など、ゾクっとしました。そして、木戸佳恵という人物が持つプライドまで伝わってくるような芯のある演技。メインの女性４人とは比較にならないほどの存在感ですね。