こっち向いてよ向井くん

最終回の麻美とのシーン、すごく良かったな。幸せだった瞬間を一つ一つ振り返る時の愛しげな笑顔と声が素敵だったし、人生や結婚についての格言みたいな台詞が多かったけど、どれも説教臭くならず、何気ない日常の会話の一つっていう良い意味での軽やかさがあるところも良かった。筋肉痛の麻美の腕をチョンチョンしたり、お尻で麻美をどかそうとしたり、飾らない自然体な仕草も「実家のお母さん」って感じの懐かしさと温かさがあって素敵でした。

麻美が引っ越しをする時も、向井くんが麻美にビシっと意見する時も、余計な口を挟まず黙って静かに見守るところが公子さんらしくて良かったです。心配な様子は伝わってくるし、時に助言をして背中を押すこともあるけど、最終的な決断は本人たちに委ねるところも、子供たちへの信頼と適度な距離感、踏み込み過ぎない礼儀が感じられて素敵。元気と麻美の仲直りのハグを微笑ましげに見つめる優しい笑顔も良かったです。

麻美への言葉の数々、低めのトーンと淡々とした表情が親子ならではの遠慮の無さを感じさせるところ、口調に押しつけや説教臭さがなくてストレートに心に響くところがとても良かったです。「愛だろ、愛」ってちょっとおどけてみせるのもお茶目で可愛らしい。明るくてさっぱりしていて、愛情深くて、いつ見ても素敵なお母さんだなあって思います。

向井くんの結婚相手をしつこく世話しようとするお父さんに説教するシーン、スカッとしました。サバサバキャラとはっきりした口調のおかげか陰湿さやヒステリックな感じがなく、聞いていて嫌な気持ちにならないのも良かった。麻美とキッチンに立ちながらお父さんについて語る時の穏やかで楽し気な笑顔も素敵で、お父さんの良いところもダメなところも全部理解していて丸ごと愛してるんだなあって伝わってきたのも良かったです。

麻美への接し方がとてもいいなと思います。強がりで真正面からじゃ聞いてくれないような麻美にいろんな角度から気づきを与えているような諭し方がすごくいいです。長年麻美を見てきてそのツボを心得ている感じがします。

麻美の言葉の足りなさや不器用さに説教するでもなく、でも一歩踏み出せるようにそっと背中を押してあげるところが良いなあ。素直じゃない麻美の心にもスーッと届く、あっさりサラっとした口調や程よい距離感も素敵。娘のことよく分かってて、温かくて良いお母さんだなあってほっこりします。

麻美のモヤモヤした気持ちを察して寄り添うシーンが良かった。家出した麻美を責めることなく、麻美がどうしたいのか、自分の経験を交えて話しながらさりげなく背中を押す姿が素敵でした。お節介を焼いたり口を出し過ぎることない絶妙な距離感が自然で良いし、口調がカラっと明るくて説教臭さや押しつけがましさを感じさせないところも公子らしくて良かったと思います。

まみたちの何気ない夫婦の雰囲気から何かを察して、声をかけたり見守ったりするところがいいなと思います。ズバリ真っ正面から聞くんじゃなくて友達のようにまみに近づくところもなんだかいいな。心をほぐしてくれるお母さんにほっとします。

麻美と元気のやりとりをちょっと心配そうに見ていたり、麻美のモヤモヤに気付いて吐き出せるようにさりげなく寄り添ったり、余計な口は出さないけどちゃんと家族のことを見ていて気遣う姿が素敵。公子の懐の深さや愛情深さが感じられました。麻美とエステの話で盛り上がる時の声のトーンや間が台詞っぽくないというか、本当に親子の会話を覗き見てるようなリアリティが感じられたのも良かったです。

明るくて元気で、義理の息子とも和気藹々と仲良しで、少ない出番でも公子の人柄の良さや逞しさが伝わってきたのが良かったです。悟の元カノの話になった時に「お母さん、あの子好きだったのに」って平気で言えちゃう感じや、新居探しの話で元気と麻美に「ずーっといてくれて良いのよ」と嬉しそうに提案する姿も、何でも言い合える家族仲の良さが感じられて良かったと思います。