俺の家の話

演技というか素な感じがありました。ラッパーという伝統芸能とは相反する存在でしたが、案外観山家と融合していたのが面白かったです。浮気事件はショッキングでした。奥さんの舞さんとは正反対な性格だなと思ったのでふたりのシーンもみたかったです。

ラップが絶妙にうまくて面白いです。シリアスな場面でも1人いるだけでコミカルな雰囲気になってしまうところがすごい存在感だなぁと思いました。キャストの中でも異様な存在感があって、でも少しは家族の悩みの手助けになっているようで、気持ちが和みます。

こんな人、絶対に現実にいないでしょ、と思うような、コントから出てきたそのままの異常な存在感なのに、家族の中にちゃんと存在しているのが面白すぎる。義実家でうまく立ち回り、仕事は野心的。そして愛妻家。そして息子想い。

ヒップホップ好きのラーメン屋オーナーという、キャラが濃すぎる役ですが、秋山さんの芸風そのままでとても自然です。ひょっとしてこれは演じているんじゃなくて、素なんじゃないかと毎回の観ていて思います。なのに、イケメンのお父さん。何もかもツボです。

お笑い芸人がドラマをやると過剰な演技に走って面白くない事も多いが、秋山さんはお笑いの要素、彼の芸風を生かした演技で面白い。ドラマの中でもちょっといいセリフを言ったりするので役としても美味しい場面も持っていく感じでいい味を出しています。

ドラマの中ではかなり異質な存在ですが、それもありなのがクドカンの脚本の世界観だなと思いました。毎回彼を見るのが楽しみです。息子とはいえ、能の指導に口だしていいのかと思いましたが、彼なりに観山家のことを考えているのでは、とも感じます。

この人が実家にくるとなんか違う空気を持ってきて、親切なようで無責任でなんとも変な空気を作っているけど。良くも悪くも他人だもん、こんなもんだよ。他人だから煮詰まった家族に風穴を開けることもできる。いい意味で頼りにならない。そんな感じがいい。

キャラクター全員が変人な世界の中で、他を圧倒する変人を演じているのが面白いです。いつものコントのように見えるんじゃないかと思っていたのですが、普通に俳優として場に溶け込んでいてすごい。思っていた以上の演技力に驚きました。