らんまん

万太郎に負けず劣らず華やかでらんまんに華を添えてくれました。イヤミな奴で終わってもいいところでしたが、田邊教授の周りからのプレッシャーや軋轢、生きづらさや葛藤を見て奥様への愛を見てどうしても嫌いにはなれませんでした。要さんのおかげで田邊教授という人を深く知れたような気がしました。

すばらしい。まさに、はまり役。かっこよい。何度、見ても、飽きない名演技。英語の発音は、上手ではないが、当時の日本人の英語の発音レベルを考えたら、このレベルで妥当。上手すぎると、かえって不自然。

別の記事で過去にキスシーンを断られたみたいなのを読んだけど、要さんのいいところはそんなシーンがなくても短い時間の中でもきちんと聡子を愛していることが分かる描写がそこかしこにあったことです。言い方や誰にも見せないような甘い顔で奥さんを愛していることがとても伝わりました。

万太郎と確執はあっただろうけど意地悪な人で終わることなく、妻への深い愛情やバイオリンや洋酒をたしなむ豊かな横顔を思う存分見せてもらいました。ストレートに妻を綺麗だと言える田邊さんがとても素敵でした。もう会えないのは寂しいです。

良くも悪くもパイオニアとしての矜持を持ち、いろいろありつつも学者として、家庭人として、パーフェクトではないにしても、ある程度は満足のいく人生を送れたのだろうと思える田邊。要さんはこのキャラのもつ合理性と不合理性という二律背反する姿を、しっかりと感情的にひとつにまとめてうまく演じていたと思います。たった数年間海外で学んだだけで、即日本のトップエリートとしてその学問を牽引する立場になるなんて、この時代人ならではの焦燥みたいな明治インテリの闇みたいなものが感じられたのも、好演だったと思います。

田邊にしては聡子に大きな声を出したけど、やっぱりその後はちゃんと耳を傾けて静かに反省したのかな？笑。聡子にネクタイを選んでもらうところとか本当に聡子がかわいくて仕方がないって感じが出てるのよね。そのネクタイをいじられて外すのもなんだか大人なのにかわいいなと思ってしまいました。

表情とか話し方とか威厳の出し方とか、すごく良い。嫌みな言い方とかも凄いと思う。ただ一つ、ヴァイオリンを実際に弾いてるように見えないのがものすごく残念。他が言うこと無しだから、何とかならなかったのだろうか。

教授がサトコだけに見せる顔がとても好きだ。少しだけ甘い顔をしたかと思えば少し厳しい声で仕事のことはわからないだろ？とか言ってくる。だけど、素直に分かりませんって言う奥さんを愛しているんだなと分かる。このツンデレがサトコさんに伝わればいいのにーっていつも思いながら見ている。愛情表現の匙加減が絶妙ですごく惹かれます。

今日の回だけで田邊さんのいろんな面を知れて嫌いになれないなーと思いました。外では高圧的なのに奥さんには意外に優しくてびっくり。そっかと言った声が優しくて、まだ奥様としてはおぼつかない奥さんを守るように抱く手が愛しているんだなと感じさせた。

ラストマンに続きハイスペックだけど鼻持ちならない男が板についてきましたね。食事に誘っただけで手をグーにしながら客人がやってくるとはすごい威圧感です笑。そして私のものになりなさいって！！朝からびっくりです。あの流し目から色気と狂気が出てますねー。

威厳や威圧感がすごい。鼻につく感じがして、なるほど周りが最大限気を使うはずだと感じる。万太郎のこれからを握る人物として、すごくスパイスになっていると思う。