Re：リベンジ―欲望の果てに―

屋上での海斗とのシーン、これまでの辛く苦しそうな姿とは別人のような、穏やかな表情や声のトーンが印象的でした。悲しみが消えることはないけれど、気持ちの区切りがついたというか、全てが公になったことでようやく前に進んでいけそうだなと、陽月の新たな未来が見えるようでホッとしました。「お互い頑張ろうね」と海斗と握手する時のスッキリした笑顔もとても良かったです。

いつも同じ演技。大袈裟に下から上に睨みつけたり、ぷんぷん早歩きみたいな誰でもできそうなやつ。姿勢が悪いのも本当に直した方がいい。背が高くないので余計にカッコ悪く見える。

隠蔽に加担した若林に「一人で抱え込んで苦しかったことと思います」と寄り添う姿や、声を詰まらせて「もう終わりにしましょう」と必死に訴える姿が、陽月の優しい人柄や深い悲しみ、決着をつけなければという強い覚悟を感じさせ、若林の心を動かす説得力がありました。美咲が亡くなった時の悲しみに暮れていた儚い姿と、海斗と対峙するシーンで見せた強い口調と鋭い眼差しで隠蔽について問い詰める姿のギャップも印象的で、見応えのあるシーンになっていたと思います。

木下や大友から、海斗の隠蔽話を聞いた時の表情が印象的でした。眉間に皺を寄せて苦しそうだったり、混乱した頭の中を必死に整理しようと目が宙を泳いだり、俄かには信じがたいといった心情が手に取るように伝わってきて、それだけ深く海斗のことを信頼していたんだなと感じられたのが良かったと思います。

気が緩むとすぐ涙が溢れてしまうくらい深い悲しみの中にあるのに、立派に喪主の挨拶を務めたり、「いつまでも落ち込んでたらダメだよね」と前を向こうとしたり、気丈に振舞う姿が儚くて健気で、胸を打つものがありました。強さや逞しさと、触れると壊れてしまいそうな繊細さの両方を併せ持っていて放っておけない雰囲気があり、別れた海斗や大友が心配して心を寄せる説得力があるのも良かったです。

必死で呼びかけながら亡くなった美咲に心臓マッサージをする姿や、死を実感した時の泣き叫ぶ声、葬儀で見せた抜け殻のような表情、見ているこちらまで辛くて苦しくなる演技が凄まじくて、見終わったあとも陽月の叫び声が頭から離れないくらい印象に残りました。毎話、美咲への愛情に溢れる姿を何度も目にしてきたので、余計に陽月の悲しみや理不尽さへの憤り、喪失感が強く感じられたのも芳根さんが７話まで積み重ねてきた丁寧な演技の賜物だなと感じます。

自分を責めて謝る美咲を力強く抱き締めるシーンがとても良かったです。「不幸なんかじゃない」「美咲がいてくれるから幸せ」という言葉も、慈しむような優しい眼差しで見つめる姿も、頭を撫でる優しい手つきも、全てが美咲への深い愛情に溢れていて、かけがえのない存在でどんなことをしてでも守りたいという思いが伝わってきてグッときました。

芳根京子さん演じる陽月には心の汚さや狡さを感じない。凄い演技力だと思います。妹役の白山乃愛ちゃんも天才レベルで朝比奈姉妹が悲劇に向かっているような予感を感じさせてこの二人素晴らしい。

妹の治療のために打算で佐竹とも大友とも海斗とも付き合っていたんだろうけど、開き直ることが出来ず罪悪感や後悔を覗かせたり、恋愛感情だけで付き合っていないから相手のことを信じきれなかったり不信感を抱いたり、行動と感情にズレが生じる姿がすごく生っぽくて人間味が感じられるところが良いですね。共感されにくく、同性に嫌われそうなヒロインだけど、陽月の揺れ動く感情を繊細に丁寧に表現している演技がとても良いと思います。

このままただの嫌な女の子で終わったらヤダなあって思っていたので海斗に謝るシーンがちゃんとあってホッとしました。辛そうな表情や後悔に満ちた声、頭を下げた後なかなか顔を上げられない姿など、自分の行いを心から悔いていることが伝わってきたのも良かった。美咲と海斗のやりとりを目に涙を浮かべて見ている姿も、美咲に笑顔が戻った嬉しさや海斗の優しさが心に沁みている様子が感じ取れて良かったです。

海斗に鍵を返して別れの電話をするシーン、顔を歪ませて涙する姿が本当に辛そうで悲しそうで、海斗への愛情は本物だったんだろうなって感じられたのが良かったです。ストーリー設定が雑なせいか、失踪した恋人を見限ってたった5か月で次の男に乗り換えて婚約までしちゃった薄情女みたいに描かれてるけど、３話の回想シーンを見た後だと、メンタルが弱っている状態での美咲の急変やそれを助けてくれた大友へ寄せる深い信頼、それが愛情に変わっていくっていう過程がとても自然に見えたし、大友のキスを拒むシーンも、木下の言葉を聞いて心が揺れているのが感じられて良かったと思います。

演技は上手い方だと思うけど、この役は良くない、好きだった男を信じず直ぐに別れて違う男と付き合ってしまうような女はろくな女ではない、人としてどうかと思う。

海斗への留守電のメッセージがとても良かった。心配して泣きそうな声から、回数を追うごとに徐々に悲しげだったり、キツく言い過ぎた後悔だったり、もう元には戻れないという覚悟を纏ったものだったり、声のトーンや話しぶりだけで陽月の心の変化がしっかり伝わってきて、再会時の冷た過ぎる態度の説得力があったのも良かったです。

顔をくしゃっとさせて笑う姿がとても可愛らしくて、初対面の海斗が心惹かれる説得力がありました。海斗が天堂家の御曹司だと知った時のさりげない表情の変化や、電話がかかってきた時の動揺した様子や嘘、ただ純粋に海斗と恋愛をしているっていうのとは違うような含みを匂わせているところも良かったです。妹の頭を撫でる時の優しい手つきや愛し気な表情も深い愛情が伝わってきて、妹のためなら何でもやりそうな覚悟と危うさを感じさせたのも良かったと思います。