最愛

相変わらず、演技が最高にうまかった。恋愛云々抜きで長年本当に家族として愛したのは彼だと思う。赤の他人だけれど。彼には家族と呼べる人がいなかったからあの場所、人たちを守ろうとあそこまでしたのでしょう。最後、逃げてくれて良かった。刑事役の俳優は下手すぎて。。かせさんが良かった！いつも何を演じても上手いけど。

親子や兄妹、親族設定というフィルターがなくても、恋愛とは違う深くて大きな家族愛・親愛が伝わってくる演技が素晴らしかったです。大輝との電話シーンも走って逃げることもなく口調も落ち着いていて、感情的になって必死で探す大輝と良い対比になっていたと思います。梨央や優と接する時の柔らかくて穏やかな雰囲気と、2人を守るためなら警察を脅したり、どんな細かなことでも調べあげてしつこく詰め寄ったりと、かなり強引で攻撃的に攻める「番犬」としての顔のギャップも2人への深い愛が感じられてとても良かったです。

今思えば優とりおが白川郷に行った時、何かの拍子で自分の罪が明らかになるかもって瞬間があったのに加瀬さんはずっと二人の心配をしていた。考えれば考えるほど深い愛情に感動を通り越して衝撃を受けた。忠犬ってあだ名がぴったりの底なしの愛情を見せてくれた。

どことなく弱々しそうというか頼りなさそうに見えるのに、中身は芯があって深い愛があって強い人だった。あの外見もだけど、喋り方の違いや声のトーンとかうまくコントロールしていたんだなと感じました。

まさに忠犬。りおが言うようにどうしてそこまで尽くしてくれるのか聞きたくなるほどの忠誠っぷり。それを恩着せがましくなく、サッと手を差し伸べる加瀬さんが素晴らしい。ボディーガードのような気迫はなくいつも自然体でスマート。適度な力加減で人を落ち着かせるのがすごい。

まったく怒っているようにも見えないしいつも冷静さを漂わせているのに、出版社に乗り込んで異議を申し立てる姿には熱がこもっていたし、梨央の危機に全力で走る姿は焦りが見えました。

梨央にだけ向けられているのかと思った優しさを嘘偽りなく後藤にもちゃんと向けてて、ああこの人は本当に心の底からいい人なんだなと感じました。梨央に隠ぺいするのかと言われて、即違うと答えたところにも加瀬らしらがあって良かったです。

梨央のことになると表情が一変するのは愛情なのか敬愛なのかわからないけど、とても美しいものだと感じさせる安心感がある。どちらかと言えば頼りなさそうな優しい顔つきなのに、梨央が願ったことを叶えるためなら激しさも見せるところとか凄く素敵でした。

好きな俳優さんですが、この前あの時キスしておけばでの、イメージが記憶に新しいせいか、松下さんにももちーならぬ、大ちゃん言いそうで、入り込めないです。
吉高さんと麻生久美子さんの顔立ちも似てるし。
吉高さんや松下さんでやるなら、加瀬さんは違う人で見たかった。

真田家の人達とは家族同然の関係らしいけど、この人がどういう出自や過去の持ち主なのか気になる。なんとなく暗さもあるし、何か裏もありそう。企業法務部のいち弁護士としては、過剰に莉央に寄り添いすぎだし、どうしてそこまで彼女を必死で守ろうとするのかも割と謎。

気弱そうだけど言いたいことは言うし、咄嗟に動くことも出来て、「梨央が傷つくくらいなら自分が」を体言した行動はカッコ良く、深い深い愛情も感じられました。

弁護士として優秀なんだろうけど、りおを思う優しさや目線は業務の域ではない気がする。何がなんでも守るって必死な感じがまだ隠された何かを暗示しているのかと奥深さが出ていい。この15年、二人の関係はどんな感じだったのか気になるところだ。

梨央を気遣って様子を窺う時の視線の優しさや丁寧でソフトな口調がとても良かったです。無理に明るく元気づけようともせず、隣にいるけどそっと１人にさせてくれるような距離の取り方も大人の男性という感じで素敵でした。１５年後、刑事になった大輝と対面した時の敵意を感じる視線や有無を言わせぬきっぱりとした口調も、あらゆるものから梨央を守るという加瀬の使命感のようなものが伝わってきて良かったと思います。