しあわせな結婚

幼いレオとのシーン、安心させるような優しい笑みや力強い声、頭や肩を撫でる手つき、すべてがレオへの愛情に溢れていて、犯罪の場面なんだけどその愛の大きさと深さにグッときてしまい、涙が出てしまいました。生まれた時からずっとお母さんだったという台詞の説得力があのシーンの演技にすべて詰まっていたと思います。

家族に宛てた手紙にもことあるごとに自分のことは忘れるよう記していたり、幸太郎の弁護も拒否したり、一人きりですべてを抱える覚悟が伺える姿が切なくて哀しい。取り調べの時の落ち着いた声のトーンや詳細で隙の無い供述も、誰かを庇っていて犯人になりたがってるようにも見えてすっきりしないし、静かだけど、見終わった後もずっと考の心情を考えてしまう印象深い演技がとても良かったです。

再捜査が始まったと聞いた時の一瞬時が止まったかのような表情や、何処か落ち着かない様子で食事を続ける姿が印象的で、絶対にこの後何かあるぞってハラハラさせられました。台詞がなくてもしっかりフラグ立てて視聴者を翻弄する演技がさすがだし、ここまで出番はそこそこあるけど見せ場はあまりなかったので、次回の自白シーンでどんな芝居を見せてくれるのか今からすごく楽しみです。

これまでずっと家族思いでレオを溺愛している姿を見てきたので、真犯人説にはすごく説得力がある。レオに危害が及ぶ前にって考えそうな短絡的な感じや、家族を守るためなら罪悪感とかなく実行しそうな愛の重さなど、ほんのり紙一重な雰囲気が漂うところも上手いなと感じます。

「ネルラにメロメロだから」「簡単に別れない」って元気づけたり、食事会の時も来るか分からない幸太郎の分もちゃんと用意していたり、幸太郎の帰宅を喜ぶネルラを見て自分のことのように喜んでグータッチしたり、「実家のお母さんの気分」という台詞そのものな優しさと温かさが滲む姿がとても良かったです。

朝っぱらから人の家に勝手に入ってお裾分けを置いていく、それをさも当然というような顔で何が問題なのか全く理解していない感じがあって、「こういうの苦手」っていう幸太郎の言葉に説得力が増します。とても面倒見が良くていい人なんだけど、平気で他人のパーソナルスペースを侵してくる遠慮の無さや距離の近さがちょっとだけ怖くて、鈴木家の放つ独特な空気をより印象強く見せているところも良かったです。

ライブ会場の空調が寒かったというレオを「風邪引きやすいんだから」と気遣う姿がお母さんみたいで、ちょっとほっこりしました。昔話し過ぎると死んじゃうよって言われた時の「いけない、いけない」って反応もお茶目で可愛らしかったです。

レオの話をする時の誇らしげな口調や表情が印象的で、本当に自分の息子のように愛情を注いで育ててきたんだなあ、自慢の息子なんだなあって感じられたのが良かったです。幸太郎に対しても気さくで感じが良くて、そのコミュニケーション能力の高さと人当たりの良さが、政財界の要人を相手にしてるという説得力を感じさせるところも良かったと思います。