ザ・トラベルナース

最終回では那須田とアイコンタクトしたり「ナースのくせにオペが出来るのか？」という院長の言葉にムッとして言い返したりと、那須田への尊敬の気持ちが伝わってくる姿が何度も見られ、太郎の内面の成長が感じられました。そのあと院長に一喝されてすぐに謝って怯える姿も、いつもの情けない太郎らしさ全開で良かったと思います。

礼くんの撮影に関わった那須田たちに説教するシーンがいつも以上に偉そうな上から目線に見え、礼くんの母親や院長への「僕は関係ないですよ」アピールに感じました。太郎の無責任さやチキンっぷりが伝わってきて良かったと思います。素朴な青年役が似合う俳優さんというイメージが強かったけど、こういうアホ丸出しな嫌味ったらしいボンボンも上手いですね。

医者として半人前のくせに、偉そうに愛川に意見する姿がホント腹立つ。分不相応な上から目線な口調や嫌味な態度がすごく上手いです。胸を張ってふんぞり返ったような姿勢で話す姿も精一杯虚勢張ってる感じが伝わってきて良いですね。院長と事務長の関係を知った時の顔芸並のショック顔もバカ息子っぽくて良かったです。

ナースステーションが大好きでみんなが忙しく働いているのにお構いなしに居心地の良さそうな顔を浮かべてたまにからかってくる先生ってほんとにいるかどうかは分かりませんがとても自然でいてもおかしくないだろうなと思ってしまいます。

五反田への告知の途中でもお手洗いに行ってしまったり、行方不明の五反田を捜しまわっている時もお腹をさすっていたり痛みを堪えるような険しい顔をしたり、ストレス耐性ゼロのメンタル激弱な姿が甘ったれボンボンらしくて良かったと思います。那須田や久鬼に対する上から目線で偉そうな態度と、子どもっぽい見た目のチグハグさも太郎の未熟さをより際立たせていると思います。

研修医にしか見えない幼い雰囲気や見た目が、恵まれた環境で育ったお坊ちゃんっていう感じがあって良いですね。医師としての責任感や命を扱う覚悟が全然感じられないぽわんとした雰囲気もよく出ています。院長に叱責されてビクっと委縮したり、自分の意見がちゃんと言えずに言いなりになってる姿も、父親に頭が上がらず、院長の息子であることがコンプレックスになっていることが感じられて良かったです。

しょっちゅうナースステーションでお喋りしてるけど、あまりにリラックスして馴染み過ぎているのが面白い。院長の息子で医師なのに、ナースたちが誰も特別扱いや緊張もせず普通に談笑していたり、話しかけても久鬼にスルーされたりと、周りからの扱いが本人の自己評価の高さと食い違ってるところも残念な御曹司って感じがあって良いと思います。

医者だと言うだけでナースより上だと思っているし、医者だと言うだけでモテると思っていたところに、それはそれはカッコいいデキるナースが現れたから内心気が気ではない感じがいろんな仕草に表れていて見ていてとても面白いです。

那須田が傍にくるたびに自分との足の長さを比較したり、背伸びして身長を近づけようとしたり、やたら意識してる姿が面白かったです。メインの芝居の脇でやっていて台詞もないけど、表情とちょっとした仕草で那須田へのライバル意識が伝わってくるのが上手い。院長の叱責に怯えて慌てて部屋を出ていく姿も、父親に頭の上がらない未熟なお坊ちゃんという感じが出ていて良かったと思います。