女神[テミス]の教室～リーガル青春白書～

どこか他人事のようで自暴自棄になっているような被告人に対し「これはあなたの裁判です」と真摯に向き合う姿が格好良かったです。被告人の妻への想いに気付き、寄り添う姿勢を見せるところも柊木の教えが刻み込まれているのが感じられて良かったと思います。落ち込む桐矢を裁判に誘ったり、仲間たちに弱音を吐いたり、素直で仲間思いな一面が多くみられるようになったのも、照井の内面の成長が感じられて良かったです。

序盤のツンケンしている時はイマイチだったけど、心を開いてからの演技はとても良いです。表情も口調も柔らかくなって、でも真面目さやストイックさは変わらず、明るいキャラの他の学生たちとのバランスも良い。桐矢にスパルタ指導する姿もなかなか手厳しくて、皆に「メシア照井」って揶揄われてるのも親近感わくし、でもその厳しさに「桐矢くんに検事になって欲しい」という思いが感じられるところも良かったと思います。

正義感が強く潔癖症にも見える照井さんが痴漢にあって止めることも罰することもできなかった悔しさが今の固くて厳しい表情につながっているのかなと今回見て思いました。必要以上に人と距離を取るのもそのせいだったのかなと思うと今までと繋がって良かったと思います。

なんとも言えないぎこちない笑顔が本当に良くわかるし、良かったーと心から思った。こんなに照井さんに感情移入するとは思わなかった。

何か事件の被害者かその関係者なのかな？それなら、これまでのキツイ物言いや態度などはガード固めているせいでもあるのかもと思った。処罰感情だけで検事を目指すと、どこかで大きな壁にぶち当たりそう。その前に柊木先生に出会えてよかったと思えるかな。

こういうちょっとキツイ感じで効率重視の感じの人っている。ただ、必死過ぎていろいろ大事なもの見落としてたりするんだよね。これからの人生の方が長いんだけれどなと少し心配になってしまうあたり、表現として成功なのかなと思う。

柊木に反抗する時も、天野や桐矢に噛みつく時も、言い方や表情がいつも同じなので、誰にでも感じが悪い不機嫌な子にしか見えないのがイマイチ。せっかく主役を敵視するという目立つ良い役もらってるのに、キツい態度の裏にあるであろう照井の抱えている焦りや不安が全く見えてこなくて、ただただ視聴者を苛つかせるだけの子になっているのも勿体ないです。

いろんな立ち位置の学生がいるから学園ドラマって面白いんだけど、ちょっと固すぎるかなと思いました。そういうキャラなんだと思うけど、セリフもキツければ態度もキツイじゃ飽きられてしまうと思う。押して、押して、の演技は疲れる。

何かというと柊木に嚙みついてたけど、将来への不安や焦り、葛藤など複雑な感情が全然伝わってこなくて、ただ柊木に八つ当たりしてるだけの生意気な小娘って感じに見えたのが残念でした。学園ドラマで、理不尽に担任に反抗する高校生みたい。損な役どころで気の毒ではあるけど、もう少し表情や台詞のニュアンスに気を配って「反抗期の学生」に見えない工夫をして欲しいです。