虎に翼

冤罪をかけられた旦那、偏見の目を向けられながら法律を学ぶ娘、他にも居候もいて、戦争では息子と娘婿が死ぬ。客観的に見ると、戦争はどの家も苦しんだとしても、猪爪家はなかなか大変な家庭だったと思う。それを支えていたのはこのはるであり、後には花江だ。

つまりこの脚本のポイントとして、猪爪家の大黒柱は経済的な面で支えていた直言でも寅子でもなく、はると花江だという視点がある。

それを踏まえてはるを演じるには、芝居の技術以上に存在感とか、ドラマ全体の中での重石となる必要がある。なので画面の立ち位置でもはるは巧妙に視聴者が重みを感じやすい位置に配置されていた。

石田さんの演技としてはとにかく芯の通った姿を見せることが重要で、多少の芝居上の嘘や誇張は許される。少なくとも演出家はそう思っていたと思う。演出家の狙いを考えれば悪くない芝居だったのではないかな。

寅子の号泣に救われたと言っても過言ではないはるさんの臨終シーン。もうすぐ死ぬというのに手もつかずに腹筋使って起き上がってきたところにびっくりよ。どうにも死ぬ間際には見えなかったわ。お化粧だけじゃ病人に見えないのよ。他の女優さんだったらなーと悔やんだわ。

今夜が山とは思えない話し方、いつもとほぼ同じで戸惑いました。他のドラマでも病気で入院中なのにごく普通にふるまっていて衝撃を受けたのを思いだした。長く女優をやっているのになんで下手なままなんだろう。

死ぬのがまさかと思うほど、演技が下手でびっくりした

はるさんが「分かっていますよ」と子どもたちを育てていたのだろうな。それが直道の口癖になり、孫まで。優しく包み込むように言う子の言葉は、はるさんが言う雰囲気が好きだな。直言さんが懺悔したまま寝てしまった時の「まだですよ」がとても絶妙だった。

裁判が終わって一家団欒でも忙しなく動いているはるさんに直言が近づいて話しかける。やっと緊張の糸が切れて号泣するというシーン。少々厳しめのはるさんが子供のように泣くという緩急が求められるが泣き方が下手すぎて萎えた。

桂場に「お黙んなさい！！」と喝を入れたところはかっこよかったです。誰よりも我が子の才能を信じているのがはるさんだと分かりました。親として子供を貶されるのはみていて気分がいいもんじゃないですしね。ピシッということを言うはるさん、背筋が伸びていて綺麗でした。

石田ゆり子さん、好きだからキツイ性格の役は観ていて辛い…

いつまでも綺麗だしお父さんが一目惚れしたのも納得ですね。ただ厳しいお母さんは似合うのかなと思っていましたが、今日の寅子を睨みつけた顔はめっちゃ怖かった。お客さんには分からないところで寅子だけ分かる怒り、帰ったら間違いなく怒られるやつです。笑ってしまいました。