妻、小学生になる。

人生、これが最後と分かっている1日があったなら。貴恵さんは麻衣ちゃんのこれからの洋服を買い、恋人がほんとうに麻衣ちゃんを託せるような人か見極めた。圭介さんには家事や料理をちゃんと生活していけるように教えた。自分の幸せは家族の幸せって考える人なんだろうなと思った。そしてまた圭介さんと麻衣ちゃんも思いつく限り貴恵さんにしてあげたいことをしてあげた。なんて最高の1日だろうか。
今日しかない幸せを胸に刻みながら笑顔で過ごす3人、こんな愛情溢れた家族に恵まれることは奇跡だ。離れがたい気持ちが最後のお休みになったのかなと思った。

貴恵さんとの2回目のお別れはなんともあっけない幕切れで圭介さんと麻衣ちゃんが抜け殻になってしまうのは仕方のないことだろうなと思った。一方まりかちゃんとお母さんはやさぐれた生活から脱却しお母さんは丁寧にまりかちゃんと向き合っている。学校でのまりかちゃんもお友達に支えられて復帰できそうでよかった。圭介さんも1度目とは違う粘り強さで麻衣ちゃんと向き合おうとしていてよかった。喪失感って1人じゃ乗り越えられなくても寄せ集まれば乗り越えられることもある。がんばれ！と応援したくなった。

やっぱりまりかちゃんは生まれ変わりではなくて憑依でしたね。そうすると貴恵さんは成仏していなかったってことになる。ずっとあの家に行っていたって言ってたもんね。圭介も麻衣も前向きに人生を歩き出し、ユウリも落ち着いてきたこの時が離れどきなんだろうか。圭介たちにとっては1度目の喪失感を知っているだけに必死になる気持ちが分かる。喫茶店のマスターの何でもこの世でなんとかしようと思っちゃダメ的な言葉が刺さる。欲張っちゃダメなんだな。だけど‥2度目のさよならは悲しすぎるよね。

まりかちゃんが戻ってきましたね。彷徨い続けたまりかちゃんが明るさと平常心を取り戻しつつあるお母さんを見てまた戻りたいって気持ちが強くなったのか、それとも守屋さんと圭介を見て恋の土俵にも上がれない小学生としての自分に貴恵さんが弱気になったのか。急にさよならは辛いからもうちょっと心の準備がしたいよね。貴恵さんのお母さんとまりかちゃんとの交流に泣きました。年老いたって許せない部分もあるけれど、口をついて出た言葉はごめんねでしたね。先に死んじゃってごめんと言いたかったのでしょう。涙が止まりませんでした。

マスターおちゃらけているけど本当に霊が見えていたんだね。守屋さんにも心当たりがある話をされたけどまだまだ悲しい気持ちが勝っちゃうんだろうし、勝手に土足で入られたようで気持ちが悪かったのだろう。まだ誰にも触れられたくないところだったのだろう。あの日、消えてと言われたまりかちゃんはパジャマのまま彷徨っていたのか。お母さんと貴恵さんとの生活はなんだかお母さんのリハビリ期間のよう、心も体もシャンとしたらまりかちゃんが戻ってきてくれるのかな。

この話は家族の元に戻りたかった貴恵さんがゾンビのように暮らしていた家族との再会し再生していく話かと思っていたけど、母親の暴言によって消えてしまったまりかちゃんを取り戻すって話でもあるのかな。あんたがいなければ私の人生違ったなんてよく言えるよ。好きで妊娠して勝手にこの世に産んだのは自分なのに。それが今度は負担をかけないでとかどっかに行ってとか邪魔者にする。密室で、第三者のいないところで絶対的に強い親はなんでもありで傷つけてくる。同情の余地はない。貴恵さんが救ってくれるのだろうか。

まりかちゃんの母は強烈だったなー。まりかちゃんの中は貴恵さんだから大人の女性として寄り添えるところがあってなんとか耐えているけど、まりかちゃんは苦しいだろうな。母子2人暮らしではどうしても母が支配する方でそこに口を挟む人もいないからどんな傍若無人ぶりでも許される。絶対服従の世界。体に傷がなくても心はボロボロだろう。いろいろバレてしまってこれからどうなるのだろう。そして貴恵さんはこの先どうなるのだろう。次回まで不安が尽きない。

ファンタジーに突っ込むのも野暮だと思うけど、まりかちゃんはお母さんとの生活に絶望して心の中に閉じこもってしまったのだろうか。それで貴恵さんが目を覚ましたって感じかな。でも貴恵さんも10年ぶりの家族旅行に行ってあの頃には戻れないと薄々感じてきてしまっている様子。家族に会えて受け入れられて嬉しいに決まっているけど、改めて自分のいない現実も見えてしまうし、いつか貴恵さんは二度死ぬことになるのだろうか。それって残酷だなと思う。

死んだ妻が生まれ変わってまでも会いに来たって感動的だし絵本とかにしといたらいいファンタジーになったけど、やっぱり実写になるといろいろつらい部分も出てくるな。娘も含めて3人で会っている時はいいけど、小学生にデレデレしている中年のおっさんは怪しすぎてヤバい。まりかちゃんのお母さんが見たらどう思うかとか圭介さんの同僚にはもう怪しがられてるし、なかなか前途多難でしょ。まりかちゃんのお母さんは闇を抱えてそうだね。そこは貴恵さんが役に立ちそうだ。

正直な話、タイトルからして見なくていっかな〜なんて思ってたけど、いい意味で裏切られた。
凪のお暇を彷彿とさせる大島里美さんの脚本とパスカルズの音楽と、トリッキーだけどそれらのおかげですっかり入り込めちゃう設定が凄い。
何よりキャスト陣の演技力。堤さん、石田ゆり子さん、神木くん、吉田羊さんは言うまでもないが、蒔田彩珠さんがとても演技がお上手。そして忘れてはいけないのが毎田暖乃ちゃん。マザーで芦田愛菜ちゃんが出てきた時並みの天才子役を発見した感。表情、仕草、本当に貴恵が乗り移ったかのよう
とても続きが楽しみです

コメディとして楽しめる作品になりそう。

妻が全ての人生で、その妻が死んでしまったら生きる屍になる。話としては感動的だと思うけど、死んだ妻はそれじゃ死んでも死にきれない。ただ10歳の小学生に死んだあなたの妻ですって言われても簡単に信じることはできないよねー。妻だって認識して確かめ合うシーンは良かったけど、他の同級生も見ている前でやるのはこちらがハラハラしてしまう。あの場にまいちゃんがいたから通報されなかったけど危ないところだよね。そしてプロポーズまではやりすぎだったような。フィクションだから許されるけどなかなか際どいな。

まさかこんなに感動させられるとは思わなかった。妻が小学生で現れた時点でちょっとウルっときてしまったが、その後の展開で何度も号泣した。

ただ旦那と小学生になった妻との絡みはどう見ても旦那が不審者にしか見えないから、マジで通報されるんじゃないかとヒヤヒヤした。実際そういった描写もサラっとあったけど。

妻の方にも小学生としての人生があるわけで、旦那に最後にプロポーズされてたが、それを受けるのか、その辺はとても気になるところ。

予想としては、妻は段々前世の記憶が失われていって、最終的には全部忘れるっていう流れになるんじゃないか。悲しいけど、残された2人が新しい一歩を踏み出せるようになったら妻はまたいなくなるのかなと思った。