家族の旅路 家族を殺された男と殺した男

深夜時間帯のドラマとしては、重厚な内容で主演俳優の豪華さだけでも驚くほどで、できる事ならばもっと早い時間帯での放送が良かったように感じました。
主人公の祐介の個人的な立場と弁護士としての立場の複雑さと、関係する人々の思いの違いなどがよく表現されていて、最近のドラマでは見かけなくなった「本当のヒューマンドラマ」を久しぶり見せてもらいました。

不幸な生い立ちの礼菜がとても気の毒で同情しかありません。余命がわずかの母親に行方のわからない光男を会わせてあげたいと思っただけなのに、それが礼菜にとってまさかの真実を知ることになる結果になってしまうとは。もうほんとに気の毒で母に手をかけようとしたのも理解できるし、母親の「ごめんね...」という言葉にわれに返り、しかし絶望だけが残り自殺するのも納得の結果だなと思いました。さいわい祐介に助けられ、祐介と養父母に暖かく介抱され礼菜が正気を取り戻し母親との記憶を思い出していくシーンはとてもあたたかく感動的でした。

とにかく、重くて濃いです。主演の滝沢秀明さんのお芝居も顔も濃ければ、脚本も濃いし、演出も濃いです。遠藤憲一さんは今クールで同時に出演しているバイプレイヤーズとはまるで別人で、徐々に明らかになってきた真実を説得力あふれる演技で見せていてすばらしいです。

なんだか一昔前の韓国ドラマのような設定だなと思います。遅い時間のドラマにしては、内容が深いので、理解しながら見るのが大変ですが、滝沢秀明さんのスーツ姿がかっこいいのと、遠藤憲一さんの情けない姿の演技が良くて見ています。

被害者遺族・加害者の関係者の心情がクローズアップされ、視聴するごとに感情移入がより濃くなっていく。
「犯人だとずっと思っていた男が実は犯人じゃない？」浅利弁護士（タッキー）の疑念が増していく表情をみているだけで面白い。
犯人だと思っていた柳瀬の息子への深い愛を知り、思いもよらなかった真相にたどり着きそうなな様子が運命的だ。
たぶん、行方不明の息子（光男）は浅利弁護士だと思う。
彼が今後更に傷つくかもしれないと思うと見ていてちょっと切ない。

礼菜がなかなかの粘りがあり強引な性格でびっくりしています。引退した刑事の松枝に会ったときも褒められていましたが納得です。祐介が冤罪を疑い初めて面白くなってきたなと思います。弁護士として事件に興味が出てきている様子もあって、好感が持てるようになってきました。
一方で、礼菜は母親のあかねが外出して客友達と飲んでいることにブチ切れだったけど、そこは大目に見てあげてほしかった。ちゃんとした母親でいてほしい礼菜の気持ちは分かるのですけが。
祐介が両親に柳瀬の事件に関わっていることを告白するところは辛くて考えさせられました。残酷な運命からは逃れられないのかな思いました。

第２話で、柳瀬光三（遠藤憲一）の冤罪の可能性がはっきりしてきました。しかし、彼の息子光男の行方については口を閉ざしたままです。それには、「殺人犯の息子にしたくなかった」ということのほかに、もう一つの理由があるように思えてなりません。子どもの取り換えです。浅利祐介（滝沢秀明）は、実は行方不明の光男なのではないでしょうか？今後、事件の真犯人と光男の行方が明らかになっていくのが楽しみです。

タッキーってこんなに演技が下手でしたっけ？
エンケンさんとの面会で怒鳴るシーンで、タッキーのあまりの下手さに驚いてしまいました。
そう感じて振りかえってみると、私がタッキーの演技を最後に見たのは1999年の魔女の条件が最後でした。
東海テレビ開局60周年のドラマだったら、主役は棒読みだらけのジャニーズじゃない方が良かったんじゃないかなぁ。
まだ「FINAL CUT」に出演中の亀梨くんの方が良かったかもね。