いだてん～東京オリムピック噺～

そうかー、あのりくちゃんの息子だったかー。花ちゃんと大賀さんの子供にぴったりの可愛らしいお顔と子犬みたいな愛らしさ。人に可愛がられる要素満点ですね。韋駄天の中のガチャガチャする時代の中で人と人をつなぐ大きな役目にぴったりの人懐っこさ。いいですよね。

大河に出るような役者じゃない感じだ。まあ、現代劇だしなと思ったが、落語家の役でやっぱり合ってないわという感じなのだ。見た目がそう見えない。しかし、話し方や所作などはそれっぽくやっていてなかなか健闘してると思う。

初めは落語の話し方もわざとらしい気がしてあまり好きにはなれませんでしたが、今思うと、それさえも演技だったのかと思えるくらい、上達してきたように思います。回を重ねるごとに話し方もうまくなり、滑舌も良くなってきたように思います。また、時折ナレーションの役割を担う場面もありますが、声が高すぎず低すぎず、耳に心地よく入ってくるように思います。忘れられないのが関東大震災で自分の祖母が被災する話になるあたり。ビートたけしが震災の様子を語る時に、真剣なまなざしで幕内から見つめていたのが印象的でした。

なぜ水をかぶる必要があったのか？そこはとても謎だけど、肌の綺麗な神木くんのサービスショットいただきました（笑）少ししか出ないけど、きっちり落語を練習してるんだなーという体の動きは見事です。たけしさんより滑舌いいし動きも面白いし現代落語パートは任せたらいいよね。

五りんは落語家・古今亭志ん生に急に弟子入りした青年。にもかかわらず落語に興味なさげで師匠への口の利き方も雑、だけども憎めない。やる気のない感じが師匠に似ていて緊迫した話のアクセントになっている。どんな役でも器用にこなすことができるのはさすがだ。また師匠が自分の祖母の噺をした時に舞台裏でみつめる五りんの表情には儚さや哀しみがうっすらと映る。神木隆之介という役者は”負”の感情や哀しみの表情を作ることにとても優れている。明るくて素直でピュアというワードが似合う彼だだからこそ、マイナスの感情を表現することはより魅力的である。また箱根駅伝の噺をする噺方の使い分けも素晴らしかった。

神木君も段々と大人の役者になってきたな、と感じられる役どころです。ビートたけしとのシーンがほとんどですから、個性を発揮していくのは中々難しいかもしれません。全体的に派手目なパフォーマンスの多いドラマですので、引きの演技や静かな芝居をする彼の存在はメリハリがあって大変重要です。

どうしてもコメディ的なものをやるとauのCMを思い出してしまう。チョロチョロそそっかしくする姿が子犬みたいで可愛いって年でもなくなって、なんだか暑苦しいんだよね。まぁ川栄ちゃんと2人で賑やかしなんだろうけどこういう神木くんは好きじゃないんだよね。