お母さん、娘をやめていいですか？

以前から注目していた女優さんでした。今回のドラマをみて、ストーリーはもちろん、波瑠さんの演技がより一層ドラマを面白くさせていたと思います。緊迫感、恐怖感や不安などみていて、リアルでとてもドラマに引き込まれる演技だったと思います。

波瑠さんならではの透明感が大好きです。母親と自己との間で揺れ動く様が見事に表現されていた。「あさが来た」では天真爛漫な女性を演じていた彼女だが、本来はとても大人しく、おそらく不器用で頑固な人。このドラマの役は自分自身を投影しやすかったのではないかと思う。

朝ドラ「あさが来た」で一躍人気女優となりましたが，「あさが来た」で演じた明るく活動的な役とは全く逆で，大人しくて母親のいいなり。まるでお人形さんのような役でした。「あさが来た」の白岡あさはハマり役だと思いましたが，こちらもまたそう思えるほどでした。

真面目で母親と仲が良く、母親が選んだ洋服や持ち物を持つ高校教師の役でした。清潔感があってきちんとしているところがイメージにピッタリでした。柳楽優弥さんに出会ってから、母親との関係を悩み徐々に変化していく様子を見事に演じていたと思います。

家庭を円満に保とうと、幼い頃から自分の意見を押し殺して母親が絶対と自分に言い聞かせ従順な素振りから、それでも耐えて大人になってからストレスで10円ハゲができ、ようやく自分の意見を言えるまでになった美月を好演していたと思います。ドラマ観ながら、意外と身近にあるような問題だけれどあまりドラマで取り上げたことのない感じがしてとても新鮮でした。

波瑠さんの演技は、某朝ドラでしか見たことがなかったのでハツラツとしたイメージしかありませんでした。
しかしこのドラマでのイメージは真逆。大人しくてビクビクする演技が見始めた当初は違和感がありましたが、追い詰められていく様の演技がピカイチ。特に斉藤由貴演じる母親が、後をつけてくることに怯える演技や、驚愕する演技が少しオーバーながらも引き込まれました。
今後も様々な演技をみせてもらいたいものです。

この役にぴったりな女優さんだったと思います。自分の母が、支配的なお母さんであることに気がつき、だんだんと距離を置いて独立して行こうとする部分の演技はとても上手でした。でもまだ、魅力を全て発揮されていないような気がするので、もっとドロドロした感じのドラマで波瑠さんの迫力ある演技を見てみたいです。