もみ消して冬 ～わが家の問題なかったことに～

お堅い役はイメージできるけど、今回のお茶目な役もとても良かったです。
芝生で転がってたり、布団から出ずにいじけているところとか可愛かったです。
話が進むごとに段々と弟のことを思いやる感じに、本当の家族じゃないけど家族愛を感じてちょっと感動しました。

天才外科医という設定にもかかわらず、ここまで来て医師らしい見せ場が全くない博文。それどころかトホホなところやダメダメなところだらけで、自分勝手な言動や激しいテンションで秀作を振り回しっぱなし。
それでも何だかニクめないのは、小澤さんの顔の濃さのせい……いや、演技力のなせるわざでしょうか。
結局仲良しな善財との絡みも毎回コミカルで漫才のようです。
名家の長男、東大卒の天才外科医、から普通に想像するのとは全然違う新鮮なキャラクターですが、小澤さんにはぴったりのハマり役でした。最終回まで博文から目が離せません！

男前な風貌から繰り出されるコメディ演技に毎週笑わせてもらっています。「小澤征悦＋優秀な外科医」というキャラクターなので、笑いをとりつつもどこかでビシッと決めてくれる役なのかと思いきや、ひたすらボケ倒しますからね。とても贅沢なキャスティングだと思います。

今まで暗い表情が多かったのでこんなコミカルな役にどうもなじめず、違和感があります。いじけているのもおかしいし、寒い雪の中ハンドベルって。忙しい外科医がいつ練習してるんだか。償いでラーメン屋に食べに行っているのがどんだけ素直なんだと思いました。

かっこいいのに、ライバルの善財と張り合うところがお茶目だったり、患者さんとしてきた女性に恋心を抱いていいところまでいったと思いきや、最後にふられてしまうところのギャップなど。わざとらしくなく、笑えるキャラクターとしてとても良い演技だったと思います。

体格のよさと、目力がとても強くて、引き込まれてしまいます。それとともに、病院の同僚と、ちょっとしたことを、張り合ったり、妹･知晶と、言い合いしてみたりと、とても可愛いなと思いました。いつも、的はずれな感じも、逆に、魅力的に、演じられています。

いい意味で変幻自在の役者さんだな、と思いました。今までのシリアスな役から一転、どうみてもコミカルな役(あくまで本人はコミカル感がないという雰囲気を醸してるあたり流石だと思います。)でも見ていて違和感ないです。主役なんじゃないか？という位、おいしいところを全部持っていっている感じ。
見た目のいい男感とギャップのあるセリフの棒読み感がとても上手で、ついつい目がいってしまいます。

コメディの胡散臭い感じが面白くていいと思います。ドラマの中では長男なのに、自分のミスを認めないところや弟に面倒なことをやらせようとするズル賢さが出ていて、それでも憎めないようなキャラクターになっています。

いつも険しい表情のイメージで、やっぱり険しい表情が多い演技。ただドラマの内容がどこかコミカルなので、逆にその険しい表情が笑いを誘うというか、ならではの演技でピッタリとハマっています。三兄弟の掛け合いが面白くてついつい見てしまいました。

なんとなくお堅い役者さんなイメージを持っていたので、コメディドラマにどう入り込むんだろうと思っていましたが、自己保身的で弟に対して超理不尽な北沢博文という役を嫌な奴に見せずにコミカルに表現されていて、すごいなと思いました。

あの顔で、ナルシスト役はピッタリだと思います。ナルシストで長男で、というのまではしっくりくるのですが、なんとなく医者らしさ、みたいなのには欠けている気が正直なところです。大手商社マンとか、の方が似合ってるように見えます。