ドクターX ～外科医・大門未知子 第5シリーズ

今回、初登場の草刈政雄さん。「いい肉が食べたいんだよ」の口癖が良かったです。その言葉を言う度に草刈さんと一緒に肉を食べたいと思っていました。自分を手術したのが最後まで息子だと思っているお茶目な草刈さんでした。

大物の新キャストでやはり偉い役なのだと思って悪く見ていたのですが、自分の息子だとわかり、永山絢斗に切って欲しいと言うのは、ジーンときました。愛人？に産ませた子であれ、やはり息子なんだと。最後の検察に落ちるシーンでも動揺しないのも素敵な演技でした。

最初、ドクターＸに出演すると聞いた時「えっ?」と思い意外な感じが致しましたが、いざ内神田会長の役をやられるとかなり板について、違和感はなかったです。ただステーキ等の肉類を食べ、あまり口数も多くなかった草刈正雄の役は不思議とハクがあった様に思います。

ドラマ内で自分自身の写真集をながめていたり、と自分自身が大好きで、キザなところや「自己保身が一番大事」な雰囲気を醸し出していた。
セリフをまくしたてたり、怒りをあらわにしなくても、周りに圧をかけるような口調や表情がよかった。

草刈さんの渋さが滲み出ていました。
セリフが少ない分、表情や立ち振る舞いでの演技が問われる役柄を、見事に演じきられたと思います。
今若者から支持を得ている理由がわかるドラマでした。
特に、息子に手術してもらう事になったシーンなんかは、感慨深い演技が最高でした。

野心まみれでやっていることは汚いのに、草刈さんの紳士的な雰囲気と品の良さで魅力的な敵役になっていたと思います。最終回、西山に向ける父親の眼差しがとても良かったです。西山には否定されていましたが、本当に彼を誇りに思っているのが伝わってくる温かさがありましたし、西山が執刀するなら失敗したとしても後悔はないという覚悟も感じられました。

ドクターXの草刈正雄さん。演技はいいのですがささやくように話してセリフが聞き取りにくいことがよくあります。ダンディーな権力者だからあえてそうされてるのかもしれませんが。大事なところでセリフが聞き取れないと残念です。

存在感が抜群で、その場にいるだけで場面に重みが出てピリっとした緊張感が漂うのがすごいです。父親として息子を心配する表情や、相手に有無を言わせない凄みのある目つきなど、出番は多くないのに毎回とても印象に残る演技をされていて素晴らしいです。