バイプレイヤーズ ～もしも名脇役がテレ東朝ドラで無人島生活したら～

第一話で貴重な食料を実は独り占めしていたことが判明して軽く卑怯者キャラを付けられてしまっていた光石さん。
その後もなんだか厄介ごとを背負い込む流れに一枚噛んじゃう損な役所が逆に効いていた。
その反動からか後半は本田さんを優しくフォローする役回りも有ったけど時既に遅し。存在感あった。

最終回の台詞合わせのシーンが印象的でした。口パクがバレた時の笑顔が何とも人が良さそうな憎めないもので、このドラマにおける光石さんの「憎めない、最後に得をする男」というキャラそのものを感じさせて良かったです。たびたび出てくる九州弁も温かい響きがあって好きでした。

4話は光石さんがメインだったので見せ場が沢山ありましたが、一番気に入ったのは里見さんとのお芝居のシーンで笑うのを必死にこらえている演技でした。笑うまいとキュッと口元を結び、でも我慢出来ず目が半笑いになっている姿が本当に面白かったです。九州弁でユースケさんにブチ切れるシーンも迫力満点で穏やかな笑顔の「仏の光石」とのギャップがあり、「光石さんがこれだけ怒った」と、ユースケさんの非常識なはちゃめちゃぶりが際立ったと思います。

吉田羊さんたちと話しながら、お芝居を忘れたようにポロっと出てきた北九州弁がとても素敵でした。お芝居を楽しんでいる様子が画面からも伝わってきますし、自分自身を演じることをとても面白がっているのではないかと思っています。

３話でお風呂上りの板谷さんにボーっと見とれている演技が良かったです。ポカーンと口を半開きにして見惚れている姿が高校生男子みたいにお茶目で、惚れっぽくて共演者をすぐ好きになるという設定に説得力がありました。

2話で松重さんとコメント撮りをするシーンが面白かったです。眠っている松重さんを起こして手伝わせ、35テイクも付き合わせたのに結局そのVTRをボツにするというかなり迷惑でひどい仕打ちなんですが、「光石さんなら仕方ないか」と思わず許してしまうような、どこか憎めない人が良さそうな笑顔と福岡弁が良かったです。

いい人で通っているのに、実はこっそり食糧を洞窟の中に隠していたのがバレたシーンでは笑いました。これが女ばかりのサバイバルならネチネチと責められて空気が悪くなりそうですが、根に持たずあっさり許すおじさん達は単純で好感が持てます。実は一番の世渡り上手なのは光石さんなのかな、と思いました。

光石さんご本人がどういう方か知らないのですが、要領が良くてちょっとずるいところがあるというドラマ内のキャラ設定がすごく似合っています。ハメを外してはしゃぐ姿と、朝ドラのことを心配して本意気で演技を始める時のギャップが素敵でした。バイプレトークで毎回あまり喋らずに食べてばっかりいるマイペースなところも好きです。