ブラックペアン

第9話は出番満載で場面ごとに色んな感情表現をしなければならなかったが、お見事だったと思う。それまで単純に偉そばってへりくだっているようにしか見えなかったのに、屈折した思いや今までの苦労のにじませ方、崇拝する上司のためになりふり構わず何にでもすがろうかという必死さ、まじめな場面なのに笑いだしたくなるような絶叫、微妙な変化を目線で演じた表現力、年の功を感じさせる演技でよかった。

私は初めて見る俳優さんなのですが､脇役で地味な存在感なのに､感じ取られる存在感の量が圧倒的で「目が離せないな」､と感じていました。内野聖陽さんの佐伯が表で大きく振る舞うタイプなら､橋本さとしさんの黒崎は､裏で静かに堅実に任務を遂行するタイプかな､と感じました。とにかく渋いです。抑制された演技ですが､微妙な表情の変化など､いちいち見逃せない。こんなすごい俳優さん､まだまだいたんですね。