令和元年版 怪談牡丹燈籠

最終回、クズ三昧で大活躍でしたね。お国に言い寄る時のイヤらしい口調や舐めるような視線、お峰に「捨てねえでくれ」と泣きつく時の明らかに嘘臭い芝居や企み顔、絵に描いたような分かりやすい悪党演技なんだけど、段田さんが演じると安っぽく見えないところがさすがです。同じ下衆男でも個人的には山本より嫌悪感がなかったのですが、それもお峰に言い負かされたり、血を見て腰を抜かしたり、伴蔵の情けなくて人間味のある一面を段田さんが愛嬌を交えて表現していたからかなと思います。

脚本がブレブレの話の中で、唯一生きてたのが段田安則。まあそこまでクローズアップされる存在じゃなかったですけど。
状況に流される頼りなさ、それにのっかっちゃう狡さが良く出ていた。
しかしあえていえば、脚本的には見せ場はなかったかも……。

単純に悪どいということがわかる
演技が痛快でした。今後もボタン灯篭に限らず悪党の役をして欲しいと思いました。

お米と交渉するお峰に「えぇ～？！」とドン引きしていたり、お米の脅しに腰を抜かしてビビっていたり、程良い軽さとコミカルさのある演技で伴蔵の気弱で情けない一面を感じさせるところが良かったです。小判を詰め込む時のニヤリとした嫌らしい笑顔も夫婦のクズっぷりを際立たせていましたし、基本暗闇でのシーンが多いですが、それでもハッキリ表情の変化が伝わってくる丁寧な演技と表現力の確かさが素晴らしいと思います。

新三郎とお露の密会を覗き見する時のニヤついた口元、幽霊のお露を見てしまった時の恐怖に慄くカッと見開いた目、お露を見たがるお峰に「巻き込まれるのはゴメンだ」と言う時のうんざり顔。出番は多くないですが、豊かな表情の変化で伴蔵の厭らしさや小悪党ぶり、強欲さをしっかり視聴者に印象づけているのがさすがだと思います。お露を見た時の怖がり方とか、のぞき見してる時とかちょっとコミカルっぽさもあるんだけどやり過ぎることなく弁えていて、ドラマの世界観を決して壊さないところも好きです。