西郷どん

歌舞伎役者尾上菊之介さん、素晴らしい演技でしたね。美しくも凛とした佇まいに、彼を知らなかった人もうっとりしたでしょうね。

歌舞伎役者である菊之助さん。物腰も、しなやかで、僧侶としての姿は、とても魅力的で、美しく、うっとりとしてしまうほどでした。また、優しさのなかでも、力強さを表現されていて、一挙一動、惹き付けられました。もう出演されないのは、とても寂しいですね。

ここ数話のキーマンとなる役柄を見事に演じていたと思う。
歌舞伎役者であるということもあるが、あまり自分の役柄の存在感を演じきっている。
あまり前にでてしまうようなことはせずにあくまで脇役としての演技ができている。

坊主頭と中世的なルックスが相俟って妖し過ぎるオーラを放つそのルックスは、初めて会った西郷が畏れるのも納得の存在感でとにかく彼以外に適役はいないだろうと思うくらいのはまり役だと思いました。どこか薄幸な雰囲気も漂わせ、歌舞伎臭のするせりふ回しも役にぴったりで、大河ドラマにしっかりと爪痕を残した名演技でした。

どこか中性的な雰囲気があって美しく儚げで、吉之助が彼を斬らずにともに入水自殺を図る道を選ぶのも納得出来る不思議な魅力がありました。指先まで神経が届いた所作の美しさや裾さばきもさすがでした。

陰陽師を思い出させるような初登場シーンに存在感がすごいと思いました。逃亡する時に変装してふざけていたのも意外で面白かったです。死んではいけないと諭す口調も天からの声みたいでちょっとうっとりしてしまいました。

尾上菊之介さんはさすが歌舞伎役者として精進されているだけあって、とても所作が美しく、公家に気に入られて朝廷に出入りを許された僧侶という設定に説得力を持たせています。
ちょっとなよなよし過ぎかなと思いますが、名女形なのでその演技自体は決まっているし、それが却ってBL展開への期待(？)を高めますね。

美しい京言葉が耳に心地よく、大声で怒鳴るわけでも感情的になり過ぎるわけでもないのに発する言葉に迫力と重みがあるところが良いです。死を覚悟した吉之助を「生きるんや」と説得するシーンは穏やかながら「この男を死なせてはならない」という月照の熱い思いが伝わってきて、2人の間に芽生えた強い絆が感じられたのが良かったです。

落ち着いた佇まいと品の漂う美しい所作はさすがです。静かな雰囲気で威圧感があるわけではないのに、登場しただけでその場の空気を一変させるような不思議な存在感があります。和歌を詠む声もよく通り、一言一言話す言葉にも説得力が感じられるのが良いですね。