越路吹雪物語

３２話で転勤になる時子を見送るシーンが良かったです。表情も穏やかで柔らかいものになり、真っ直ぐ時子を見つめる様子から女性の時子をちゃんと同等の編集者として認めていることが伝わってきました。時子と出会った頃とは比べ物にならない態度に、森の成長が感じられたのが良かったです。時子に「森編集長」と呼ばれた時の照れくさそうな、嬉しそうな笑顔も素敵でした。

28話で編集部に帰ってきたときの照れくさそうな笑顔が良かったです。以前よりも柔らかい雰囲気になり、出征して戦争が終わったことでやっと長年の後ろめたさから解放されたのかなという晴れ晴れとした明るい表情が印象的でした。

27話の時子とのシーンがとても良かったです。初めて時子に対して素直になり、真っ直ぐ向き合って謝る姿は潔く、男らしくてカッコ良かったです。心臓が弱いせいで兵隊になれないことを恥じていたのに、いざ出征となると不安になってしまう森の複雑な心境が表情から伝わってきました。「時子が編集長になっていたら辞めてやる」という台詞も今までのようなトゲがなくて友人同士の冗談のような温かみがあり、2人の心が通い合った証のように感じられたのも良かったです。

細身で神経質そうな見た目と、いつも不機嫌そうな表情、愛想の無い喋り方で森の屈折した内面を上手く表現していると思います。最近は表情がふっと緩むこともあり、時子のことも認め始めているのが伝わってきます。本当は良い人なんじゃないかなと思わせるような、どこか温かみのある雰囲気があるところも良いと思います。