越路吹雪物語

鶴瓶師匠の息子さんという目でつい見てしまいますが、彼にはしみじみとした独自の魅力があり、眼差しや語り口調にいつも魅了されています。この役でも、越路さんに対してある重要な申し出をしますが、私だったら即オーケーしてしまいそうな素敵なシーンでした。

２６話で時子からコーちゃんの返事を聞くシーンが良かったです。誠実で優しくて繊細で、だからこそ太陽みたいなコーちゃんに惹かれたのかなと思える良い演技だったと思います。実家に帰ってしまうのでもう出番はないかもしれませんが、少ない登場回数だったとは思えないくらい存在感がありましたし、幸せになって欲しいなと応援したくなる魅力的な人物を作り上げていたと思います。

コーちゃんに脚本を渡す時の緊張感、後ろ姿を見送る時の切なげな表情、プロポーズ前の覚悟を決めたような引き締まった顔…彼の全ての仕草、表情にコーちゃんへの想いが溢れています。初登場の時からすでにコーちゃんに恋していて、好きになったきっかけなどが描かれていないですが、駿河さんの丁寧で繊細な表現力のおかげで庄司がどれだけ真剣にコーちゃんを想い続けていたのかが伝わってきます。

コーちゃんと話す時に照れくさそうに目を逸らす様子やはにかんだような笑顔から彼女への淡い恋心が伝わってきて、見ていて微笑ましいです。24話で大介がコーちゃんに会いに来た時の戸惑ったような表情も良かったです。大介との関係を聞きたいけど勇気が出ない庄司の控えめな性格がよく表れていたと思います。