越路吹雪物語

58話でコーちゃんの病状について時子に説明するシーンが印象的でした。落ち着いた声で丁寧に話す姿から、時子のショックを少しでも和らげたいという杉尾の優しさが伝わってきましたし、「出来るだけのことはする」と真っ直ぐ時子を見つめる姿は頼もしく、感情を押し殺したような表情から医師として命を救えない悔しさも伝わってきたのが良かったです。

秋子の問診の際、帰り際に時子を心配する姿が印象的でした。真剣な表情から社交辞令ではなく心から時子を気にかけているのが伝わってきますし、恐縮する時子を見て、ドアにぶつかりそうになって和ませてあげる姿も杉尾の優しい人柄が感じられて良かったです。

いつも何かを企んでいたりアクの強い役柄が多いですが、今回のような明るく人当たりの良い役も似合いますね。コーちゃんや時子と冗談を言い合って気さくに接したり友孝の話を真摯に聞く姿から、患者に寄り添って何でも相談出来そうな頼りになるお医者さんという雰囲気が出ているのが良いと思います。