陸王

これまでもいくつかのドラマで演技を見てきましたが、その役になりきる所はすごいと思う。今回は零細企業の社長という役どころでしたが、100年続いた伝統と技術を守りつつ、取り巻く様々な人物の事だけをまっすぐに誠実に思い、邁進していく姿が素晴らしかったです。

引き込まれるような独特の雰囲気が良いです。私の中では渋めの役柄のイメージがあったのが、今回のドラマではお人好しで情熱的な下町の社長と言う役が見事にはまっていると思います。

陸王で特に感動したのは主役である役所広司さんの演技です。彼が、経営が傾いた老舗の足袋屋を、愛もをって立て直そうとしていく姿、関係する人との熱い関わり方は観ていていつも感情移入してしまいます。1番好きな場面は、やっと出来たマラソンシューズの陸王をマラソンランナーである茂木に初めて履いてもらうシーンです。今までの思いが詰まったこのシーンは、何度も巻き戻して観てしまいました。元々役者としての評価が高い方ですが、改めて役者としてのこの方の凄さを感じました。

少し大げさな感じがどうかなと始めは思いましたが、だんだんうまくいかないとすぐに愚痴ってへこたれちゃう弱いところもあればわからないことが楽しいとひたむきに頑張るところもあって純粋で正直な人だと思えました。毎回叫ぶシーンに心を打たれて知らずに涙がぼろぼろ流れています。

劇団出身なだけあってやはり安定したどっしりとした演技に見ていてホッとします。声も聞き取りやすく男性らしい声がとても好きです。演技力もさることながらシリアスなシーンの表情もひょうきんな表情もうまく見ているドラマに引き込まれる一因になっていると思います。大御所と言ってもいいほどの経験年数と年齢ですが動ける演技や表情づくりがとても魅力的なので今回のドラマの役どころはとてもあっていると思います。

池井戸さん原作シリーズのドラマを数々見ているが、下町の律儀な社長役にぴったりである。下町の社長らしく、人の心をもちながらも、やはりお金の面で苦労しているという感じが、風貌からも伝わる。非常に適任の配役ではないかと思います。

やはり演技が上手いなと思います。
社長としての風格、息子に腹をたてる姿や、一生懸命なところなどとても演技が上手いなと思います。
前回も陸王を作れなくなったことを、竹内涼真に言いにいった時に、申し訳なさそうにしている姿も、表現からも出てとても良かったです。

こはぜ屋をはじめとする味方や仲間や支援してくれる人に向ける温かさにはこんな社長の下で働いてみたいなと思わせてくれたり、
一方ではライバルや納得いかない相手に対しては毅然とした態度をとったり感情をむき出しにして訴えかける厳しさを併せ持つところもあり、
その相反する面がともに魅力的に映ります。

究極のランニングシューズを作ることに情熱をかける熱い男が見事に伝わってきます。あの年で、情熱的な役どころは少ないのではないかと思いますが、とてもかっこよくて、男性としての魅力を感じます。繊維メーカーの社長に原料の供給を打ち切られた際の涙にグッと来て、私も泣きそうになりました。男の涙も本当にステキです。

社長なのに腰が低くて、人との繋がりを大事にする宮沢の人の良さが、表情によく現れていると思います。どんなに屈辱的な目に遭っても、食い下がって最後まで諦めない、迫力のある演技は、やはり大御所の俳優さんという感じがします。

ほとんどテレビドラマでは見かけないので、ちゃんと演技しているのを見たのは初めてかも。数々の映画賞を獲得されている理由がよくわかりました。セリフがなくても表情でその思いがグッと見るものの心に突き刺さり、熱い気持ちになったり涙が込み上げてきたりしました。ただただかっこいい。その一言が似合う俳優さん。

さすがは役所広司です。完全に役にはまっていますね。2代目社長という少しおぼっちゃん的な甘さを持った人間が、新しい事業（商品）に舵を切って進むことを決断した時の顔つきに変わり方がよく伝わってきました。役所さんの表情の豊かさがとても活きています。

やっぱり役所広司は演技が上手いなぁと思いました。
従業員のことを思う社長としての演技、融資担当とのやり取り、そして自ら走ってみたりと葛藤している姿もヨカッタです。
特に1話のラストシーンで、銀行員に融資担当の風間俊介をバカにされて一喝するシーンは迫力がありました。

序盤の無気力な表情から、終盤にかけての緊迫した表情へ変わっていくところが素晴らしいと思いました。表情だけでなく、隈や血走った目など演技だけでは出せない身体的な部分もコントロールされていました。社長である時の役所さん、父親である時の役所さんがそれぞれ違った良い味を出していました。役者さんというよりは、本物の一般中小企業の方を見ているような気持ちになり、更にグッと引き込まれました。

今まで彼の作品をあまり見たことがありませんでしたが、こんなに演技のうまい役者さんだとは知りませんでした。昔ながらの足袋屋の主人をとても自然に演じています。風貌や所作も、とてもはまっているので、まるでドラマというよりもドキュメンタリーのような感じさえします。