9ボーダー

悩んで七苗に会いたいと自分から来たはずなのに大場さんみたいになりたくないって言っちゃうところが笑えました。こういうこと言っちゃうのが双葉よね。そしてひとっ風呂浴びただけでもう前向きになっているのも双葉らしい。嵐のように来て、去っていく。面白いキャラクターです。

七苗に相談に来ているのに「大庭さんみたいになりたくない」ってはっきり言い切るところが西尾らしい。失礼過ぎるしこんな後輩面倒臭くて実際にいたら嫌だけど、正直で裏表がなくて発言に悪気が無いってことも伝わってくるから、どうしてもバッサリ斬り捨てることが出来ず、七苗が何だかんだ世話を焼く説得力があるのが良かった。実際もこういう人なの？って勘違いしそうなくらい、舐めたような態度や口調がリアルで上手いところも毎回凄いなって思います。

いやー終始モヤモヤしました。はっきり言ってこんな後輩は嫌です。仕事を潰しておいて知らん顔でケータイいじるとかなんなの？って怒りたい衝動に駆られるのに次の日には新しい相手を見つけましたと仕事で成果を出す。スッキリ怒らせてもくれない飄々としたところにモヤモヤが止まりません。演技がうますぎて嫌いになりそうです。

試作中のパティシエさんへの言動や態度、謝罪に行った時の不服そうな表情、見ているこちらが本気でヒヤヒヤ・モヤモヤしてしまうくらいのリアリティがありました。芝居に見えないくらい台詞まわしや表情の作り方が自然なところも良いし、単なる生意気・世間知らずとはちょっと違う、価値観や感覚の世代間ギャップを上手く表現していると思います。

自分の利益最優先で誰よりも得したい気持ちがあるから誰かが優遇されていると許せない。なかなかの後輩です。無神経なことを結構な音量であっけらかんと言ってくる。こっちのメンタル少しずつ削るのが上手い。悪気がないのが最大の悪。

お詫びのお菓子を喜んで受け取っておきながら「お菓子買う時間はあるんだ」と口に出してしまうところが西尾らしい。その口調や表情に嫌味っぽさや棘がなく、本当に思ったままを口にしただけって伝わってくるところも西尾の厄介さを際立たせていて良かったと思います。

思ったことなんでも口にして微妙な空気にしたり、七苗に指示されるまで自分から動かなかったり、そのくせ七苗にホワハラされたとか言い出したり、厄介な後輩っぷりがハマっていました。仕事を指示された時や注意を受けた時のちょっと不貞腐れたような表情や「何で私が？」っていう不服そうな態度も、素の箭内さんがこういう人なのかな？って思ってしまうくらい自然で上手かったです。