CRISIS 公安機動捜査隊特捜班

野間口徹さんは、一見地味に見えるのですが、役柄はいつも一癖も二癖も有る役が多いと感じています。今回も爆弾処理のエキスパートとして登場しており、そういう特殊能力を持つ役を飄々と演じています。そうした役柄ながら、８話ではアクティブな動きも見せ、相変わらず達者な役者さんだな、と思いました。９話では、将棋を指すまでの会話の流れが本当に、この役にピッタリだと思わせてくれました。貴重なバイプレイヤーです。

カメレオン俳優という呼び方がとてもしっくりくる俳優さんだなと思いながら毎週見ていました。金城脚本の作品にはたびたび出演されていますが、毎回まるっきりの別人になっているので、前の作品を見返して初めて同じ人だと気づきます。

役所が、匂いに関する共感覚の持ち主ということで、ちょっとかわった役所でしたが、そのちょっとかわったところが、野間口さんにぴったりとはまっていました。犯人グループにいてもおかしくないキャラですが、今回はずっと悪役にはならずで、安心したやら、ちょっと残念やらって気持ちです。

これまでは、どちらかというと犯人役のイメージの方が強かったですし、何ともいえない個性的な不気味で得体の知れない様な独特の雰囲気が、今回の役にちょうどハマっていて良かったと思います。匂いに敏感で、爆弾の知識に秀でている反面、逆にこの人がテロリストの側に回ったら…と思わせる様なラストでも、存在感を示していたと思います。

いつも脇役の多い野間口さんですが、小栗さんと西島さんと同じ特殊班の一員として事件解決する役柄は味がありました。顔も爆弾等危険物の取扱に詳しそうな顔で合っています。ドラマ内では特に、被害者の男性の爆弾を解除できなくて退避中、あきらめきれず振り向いて戻ろうとする場面の演技は、ジーンときました。

以前、小栗さん主演で同じ脚本家が関わったドラマ「Border」でもハッカーとして出演されていました。その時の謎めいた感じがとても印象深かったのですが、今回の「CRISIS」でも闇を抱えたようなオーラが出ていてついつい気になってしまいます。

特捜班メンバーの中でもどちらかと言えば脇役的立場ながらも一癖も二癖もある役で、雰囲気からも変人具合が伺える。
下調べや援護に回る立場だが、武術にも長けていて、主役にも引けを取らない強さ。
キャラクターの存在で言えば一番目がいく目立つ存在かもしれない。