明日はもっと、いい日になる

心の中に大きな大きな傷がある。だから、他人とのコミュニケーションが変になったりもする。それでも自分と同じような子どもを助けたいという熱い情熱があふれる。そんな難しい役なのに、すぐに彼のバックボーンや心の中のマグマが透けて見えるような演技で引き込まれた。実の父との対面のシーンのこわばり。ものすごく伝わってきた。

虐待されていた父親に会いにいくって相当勇気のいることで、そこ緊張感や手を握りしめて怖さと戦っているところなどがちゃんと出ていたのが良かったですね。いくら大人になってもあの頃の上下関係は消えない。怖さを抑えつつ冷静に離れた方がいいと判断して遠ざける、対処も完璧です。

ひまりが絡んだ案件だけ落ち着きがなくなりいつもの冷静さがなくなる、ひまりのことが好きなんだろうなってすぐに分かるしいつもと違う人になっちゃうところが人間らしくていい。分かりやすく落ち込むところもかわいいです。

不器用だけれど子どもたちを見る目がとても優しくて。翼には毒舌だけれど、でも自分を重ねるように見ているところがあるのも見ていてわかる。心の奥底に熱いものがあるんだろうなというのも。若かりし頃との演じ分けも見事でした。