ブギウギ

淡谷のり子さんと凛子さんは似ていないのに、りつ子の向こうに淡谷さんが透けて見えるのが凄いと思う。スズ子に対してもツンとしているのに愛情が感じられて。本当に懐かしい思いになります。

鈴子に叱咤激励をする場面はいつも少しきつい言葉なんだけど全てが的を得ていて、いつもしっかりしなさいと背中を叩いてくれるような厳しさがある。凛とした佇まいから自分にも他人にも厳しく、その奥にはちゃんと優しさもある。素敵な先輩だなと思います。

どこでも一張羅で現れる茨田さん。喫茶店でも背筋がピンと伸びていてスター感が出ていますね。茨田さんのプロ意識がそのまま出ているようで感心します。いつも仏頂面の茨田さんですが、ラインダンスの時のキラキラ笑顔がとても良かったです。

なんだかどんどん淡谷のり子に雰囲気が似てきていて。芯の強さとか、奥に覗く優しさとか。愛子ちゃんを見る優しい笑顔が本当に素敵で良い。

何度も劇中で歌われる別れのブルースだが、聞くたびに表情が違っていてその度に茨田さんの心情がよく表れていて素晴らしい。特に今日のフルコーラスは出会った特攻の子たちを思い出しながら別れを告げているようでもあり素晴らしかった。

ステージの上でも羽鳥先生の家の食卓でも茨田りつ子は茨田りつ子でブレないキャラが面白い。鈴子がなにをやっているか気にかけているけれど表立って手助けはしないし、褒めたりもしない。這い上がってくるのをただ待っている感じがする。その期待に応えた時少しだけ嬉しそうな顔になるのがとても好きだ。

よほどの強い信念がないと突き通せない時代にカッカする熱量じゃないけれど、とてもしなやかで折れない強さを持った女性だと思いました。心配していた歌も世界観がぴったりとハマり独特の世界観が出せていたと思います。

もう少しはっきりセリフを言ってもいいような気もしますが、本当に淡谷のり子さんに雰囲気が似ておられる。物腰柔らかで穏やかなのに、何というか芯の強さや信念と言った一本通った感じが本当に。私の戦闘服というセリフも知っていただけに鳥肌が立ちました。

私が知っている淡谷のり子さんはもうおばあちゃんでモゴモゴ言ってる感じだったからイメージとしては若い頃はこんな風だったのかなと想像しかないけどオーラがあって素敵です。ただご本人に寄せたのかモゴモゴ喋りすぎてせっかくのセリフが聞き取れません。そこが残念かな。