ダメマネ！ ーダメなタレント、マネジメントしますー

シリアスに寄せるか、コメディに寄せるか、難しかったかな。でもこのキャスティングなら、コメディ要素をもっと強くするよね、普通だったら。

それは置いておくとして、安田さんの芝居は本心を見せず、まさにマネージャーとして多くの役者やスタッフの力を引き上げました。最後は悪役になったというよりも、過去の因縁を片づけて、自由になったというのが正解かな。

でも、個人的にはもっとコメディに寄せた演出で見たかった。

美和が口にした言葉がかつて自分が美和にかけたものだったと分かって頬が緩む場面が好き。自分のやってきたことが報われた瞬間だし、なにより美和に根付いていることがとても嬉しいって顔。冷徹に見えたところからのこの顔は反則。

いきなり現れた娘にあなたの子ですと言われて顔を両手で覆った姿がかわいらしくて、やっと人間らしい素の表情が見れたと嬉しくなりました。顔を手で覆ってその後に指の隙間から娘を見るところ、二人で同じ仕草をしていてとても可愛かったです。

人間なんだけどアンドロイドのような冷たさがあり何を考えているか分からないところに面白さがある。この先も犀川に振り回されながら知らなかった景色が見られるのではないかと予感できる。冷たく突き放しているように見えて‥という展開を期待している。

美和を振り回すだけ振り回して、それだけじゃなくていろんなところに手を回して策に嵌めているところがあるんだけど言葉がいつも乾いていてどこにも気持ちがない。本心が見えず何をどうしたいのか見えないからゾクッとする。わちゃわちゃしたドラマでは終わらないんだろうなと期待している。