Destiny

好きな女優さんだし、良い意味で年齢なりの色気が出て来たなと思っていたのですが、芝居の方は相変わらず唐突かつきょどり過ぎかな。カット割の問題もあるんだろうけど、長回し以外の場面は、必要以上に大きな挙動をいきなり見せるのは昔からの悪い癖だね。たぶん芝居は大きくと最初に教えられたのを守っているのかな。でも感情がついていってないのが手をとるようにわかる。いい雰囲気を持った方なので、そろそろ感情イコール表情だけではないことも学ばないとね。

久々に見たけどやっぱり大根。単純な深みのない演技しかできないからいつ見ても同じ。可愛くていい子なので人気者というだけで、演技なんて言えるものは出来ていいないガラパゴス女優。どんどん海外エンターテイメントとの格差が広がっていく日本。可愛いだけの人を女優って崇めるのやめてほしい。他にすばらしい演技ができる人がいるのに、人気者というだけで使い続ける業界が自分自身で足を引っ張っってレベルを下げている。

大人になってから徐々に子供っぽさがなくなり無防備な姿は見せなくなっていたけど、大学で真樹に会った瞬間から時が巻き戻ったようにあの頃の奏に戻ったのがすごいと思った。その時封印した気持ちが溢れるようで良かったです。

ボサっとした髪型と眼鏡、俯きがちで陰のある表情、ボソボソと自信なさげな話し方など、丁寧な演技で地味で野暮ったい大学生シーンを違和感なく演じていたと思います。恋をして徐々にキラキラ輝いて綺麗になっていく過程も、初めての恋に浮かれる幸せそうな笑顔もとても良かった。カオリと真樹の事故を知った時のショックと動揺で頭が追い付いていない様子もリアルだし、やっぱりこういう感情を大きく揺さぶられる芝居が上手い人だなと感じました。現代シーンのキリっと自立した大人の女性の姿も格好良かったです。

誰よりも大学生に見えていた。普段とガラッとイメージを変えてヘアメイクも違っていた。野暮ったさも良かった。誰の視界にも邪魔にならないようにと伏目がちで頼りない存在感を出していた。奏の生い立ちが十分理解できた。