祈りのカルテ 研修医の謎解き観察記録

「こうやって皆でお昼食べるのもあと少し」と泣き出したり、研修最終日も橘のスクラブ濡らすほど泣いてしんみりしてたり、最終回でも人一倍強い暑苦しい同期愛が感じられてほっこりしました。5年後の目標を語る時も、理想的な大きな夢を語る若者たちと違って、超現実的でネガティブな発想ばかり浮かんでしまうところが人生経験豊富な年長者の牧村らしくて良かったです。

初志貫徹で迷わず小児科を選択するところが牧村らしくて良かったです。医師を目指すきっかけになった「子どもたちを自分の手で助けたい」という思いがずっと変わらず、小児科一択という意志の強さも、色々経験して何科にしようか迷い悩む若い同期たちと良い対比になっていたと思います。

研修医メンバーのギスギスした険悪ムードを感じ取って「仲良くしようよ～」と嘆いたり、医者を辞めるかもという橘を「一緒に頑張ろうよ」って必死で宥めたり、年上らしく諭すのではなく友達のようにフランクに仲間を心配する姿がとても良いですね。気負わずに素のまま年下の同期たちと接することが出来る牧村の人間の大きさや大らかさが伝わってきます。割とドライな他のメンバーと違って同期愛や仲間意識が人一倍強いところも世代間のギャップが感じられて良いと思います。

裕也への誕生日プレゼントに手書きの「同期愛」Tシャツをあげたり、秋田の件で何度も的外れな推理を披露したり、凄んで大声を出す秋田にビビりまくってたり、最年長とは思えないちょっとズレてて頼りない姿がチャーミングで良かったです。7話は諏訪野とコンビを組んでいましたが、タメ口で話していたり、会話にも遠慮がなくて友達同士みたいだったり、1年目より2人の距離がグッと縮まっていたのも、共に学んで切磋琢磨してきた同期の絆が感じられてほっこりしました。

同期以外には緊張してしまうと言って後輩の研修医に敬語で丁寧に話しかける姿が可愛らしかったです。失恋した裕也のために張り切って飲み会を仕切る姿も仲間思いで優しい性格が感じられて良かったし、結局誰も参加してくれなくて裕也と2人でカラオケに行くちょっと残念なところも牧村らしさが出ていて良かったと思います。

「VIP患者が入院してるんだって」と興奮して大騒ぎしてる姿が、必死で守秘義務を守ろうと頑張ってる諏訪野たちと対比なっていて面白かったです。裕也に週刊誌を先に読まれた時も「グラビア泥棒」ってムキになって文句言ってたし、ミーハーだったり子供みたいなところがあったり、年長者だからと変に気負わずありのままの自分でいる感じが良いですね。研修医メンバーとのほのぼのしたやりとりに毎回癒されています。

若者だらけの研修医の中で存在するだけで異質な感じがするけれど、本人は全然そんなことは気にしていなくていつも自然体。するっと周囲と馴染んでいたり、カラオケでは自分の趣味まっしぐらで若い人に迎合しないところが好きです。

穏やかな雰囲気と温かみのある優しい語り口が、元保育士で現役パパという設定にぴったり。病弱だった園児に何もしてあげられず、医者を目指したっていう良い人過ぎるエピソードも「この人ならあり得る」という説得力があります。皆が酷評する裕也の手作りパンを「最高だよ！」って大絶賛するシーンも、お世辞ではなく本気で褒めてるのが伝わってきて、味覚が独特でちょっと残念という親近感のわく設定がまたお茶目で良い味出していたと思います。

カラオケで大熱唱してる姿が新鮮でチャーミングでした。研修医の中で最年長なのにお調子者の裕也がド引きするくらい、はっちゃけて一人盛り上がってるところが見た目とギャップがあってキャラクターとして面白いです。皆に飲みの誘いを断られる裕也に付き合ってあげる優しさもあるし、かなり年下な諏訪野たちと気負いなく普通に世間話出来るフラットさもあり、たまに羽目外し過ぎちゃうダメな一面もあって、色んな側面を持った人間味のある人柄を魅力的に演じていると思います。

賑やかな若い研修医の中で、独特な穏やかな雰囲気と朗らかな笑顔が目を引きます。年長者だけど不思議と若者の輪に馴染んでいて、でも全力疾走すると足を挫いたりと年齢相応なおじさんらしさもあって、良い味出してました。指導医への挨拶でガチガチに緊張してたり、諏訪野の魚肉ソーセージをこっそり食べちゃったり、短い出番でも牧村の真面目さやちょっとお茶目な一面が垣間見れたのも良かったと思います。