くるり～誰が私と恋をした？～

律くんにキスされた時のしょぼん顔を見てすぐに律を求めているんじゃないんだなと分かる演技は見ている方に分かりやすくて良かったけど、実際やられたらちょっとショックだろうなと思いました。だけどくるくる変わる表情にいつも釘付けでまことが愛される理由がそこかしこにありとても魅力的なヒロインでした。

悩んだり迷ったりするけど、こうと決めたらブレずに進む前向きさや、相手としっかり向き合う誠実さと正直さ、過ちを許せる優しさや大らかさ、そりゃあモテるよなと納得の魅力溢れるヒロインをここまで嫌味なく好感度を保ったまま演じきれたのが凄い。公太郎との植物園デートもすごく幸せそうで笑顔がキラキラしていてめちゃくちゃ可愛かったです。

めるるは意外に芝居勘みたいなものがあって、いつもどんな役でもなかなか良い演技を見せてくれます。このドラマも少女マンガみたいに、自己評価低めの女子が実はなんだかんだモテモテという展開なわけだけど、めるるはモテても嫌味にならず、低い自己評価も卑屈になり過ぎない、バランスのとれた芝居でした。特に終盤の迷い悩む雰囲気は、セリフがなくても十分に伝わってきました。ただまことというキャラには首を傾げるところもあります。記憶喪失の悩みが、ほぼ彼氏探しというのはどうなのでしょう？その違和感を忘れさせるめるるあってのキャラでした。

今の心は公太郎さんにある。だから律とのデートは過去の自分の追体験をしているかのように身が入っていない部分があって面白いなと思いました。まことの感情をありのままに分かりやすく表現してくれるのでストーリーが読みやすいです。

公太郎に抱き締められた時に背中に回すのを躊躇う手、初対面のフリをして傍にいた律を思う涙、律にキスされた時の何処か哀しげな表情、今と過去の二つの恋心に挟まれた葛藤や迷いを繊細に表現する演技がとても良かったです。見方によっては二人の男性の間でフラフラしてる優柔不断なヒロインに見えてしまって、同性の反感を買いそうな展開だけど、そういったイライラ要素をあまり感じさせないところも生見さんならではの魅力だなと感じます。

公太郎とのデートシーンがすごく可愛かった。公太郎の意外な一面が見られた時の嬉しそうな顔や、スイーツをシェアし合う時の楽しそうな笑顔、テントウムシのくだりの悪戯っ子みたいな表情、モノトーンの世界にいた時とは別人のような豊かな表情と幸せそうなオーラが魅力的で、四角関係のヒロインという設定に説得力があるのも良かったです。蘇る記憶に戸惑ったり不安になったり、井口夫婦のやりとりに涙したり、笑顔以外の演技も丁寧で繊細でとても素敵でした。

公太郎の寝顔を眺めている時や、デートの約束が本気だと知った時、色の名前は花由来のものが多いと朝日に語る時、その場に本人がいてもいなくても公太郎絡みの笑顔が本当に可愛くてキラキラしていて、誰が見ても恋してるって伝わってくるところが良いですね。「勝手に友達止めないでよ」と朝日の嘘を許すシーンも、まことの優しさや大らかさが伝わり、「馬鹿みたいに優しい」と評される朝日に対して「友達は鏡」っていう言葉をそのまま体現しているように感じられたのも良かったです。

公太郎との喧嘩シーンは、ヒロインあるあるの踏み込み過ぎな鬱陶しさがあったけど、不思議とその手のヒロインに感じる嫌悪感や苛立ちが少なかったのが生見さんならではの魅力だなと感じました。6話までの演技で積み重ねてきたまことの真っすぐさやきちんと相手と向き合う誠実さ、公太郎との絶妙な距離感が活きていたなと思います。律や杏璃さんに公太郎について語る時の嬉しそうな笑顔もとても可愛くて、好きっていう気持ちが溢れ出ているところも良かったです。

これだけの各種イケメンにいろんな角度から愛情を注がれてもっと嫉妬されても良さそうなものなのに、見ている側からするとそんな感情が起こらないのが不思議。それはまこととして一生懸命前を向く姿がりりしく映るからだろう。

由佳の嫉妬や嘘が明らかになった後も、真っすぐに彼女と向き合おうとする姿がまことらしくて素敵でした。態度や口調がさっぱりしているおかげか、何をしていても可愛らしいんだけどあざとさや嫌味っぽさが感じられず、偽善者や良い子ぶりっ子に見えないところも良いですね。無防備過ぎてで危なっかしい部分と、過去としっかり向き合おうとする強さや逞しさのギャップも魅力的で、男性陣や香絵がまことのことを大切に想って各々のやり方で守ろうとする説得力があるところも良いと思います。

幼い自分だけじゃなく今でも面倒ごとは言ってくれるなという親の元であんなに気を使って笑顔でいることはないだろうと思ったが、傷つかないふりでもしなきゃ自分を保てないのだろうと思うと切なかった。あの笑顔は防御なのだと思った。

結婚記念日のサプライズを準備する8歳の頃の自分を見ている時の表情がとても良かった。現在のまことの切なげで悲しそうな眼差しと、楽しそうに手紙を書く少女の対比が哀しくて残酷で、８歳の緒方まことちゃんを抱き締めたくなったというまことの台詞がより深く、説得力のあるものに感じられました。東京に戻った時の公太郎とのクレームのやりとりも、リラックスした笑顔や二人の間に流れる空気がとても自然で良かったと思います。

デート中のキラキラした楽しそうな笑顔や、仕事に戻る律に見せた気遣いの自然さ、律が今のまことに惚れ直すのも納得の可愛らしさと人柄の良さを嫌味なく演じているところが良いですね。母親からのLINEが来た時の嬉しそうな表情、内容が誕生日とは全く関係ないことだと分かった時の寂しげな笑み、自分が怖いと語る時の不安そうな眼差し、まことが抱える孤独や葛藤が目の動きや表情だけで伝わってくるところも良かったです。

まことを取り巻く環境を考えるととても不安なことも多いはずなのに、それでも前へ行くしかないという気持ちのいいくらい前向きなキャラクターを力強く演じていると思います。かわいいけれど誰にも媚びずしっかり前を向くまことが清々しくて大好きです。

手先が不器用なところや天然さなど、チャーミングさとコミカルさのあるヒロインがよく似合っています。張り合う公太郎と朝日を見た時の天然発言や無邪気な態度にあざとさが全然なくてとても自然で、同性から見ても素直に可愛いって思えるところも良いですね。見た目はもちろん、生見さんだからこそ出せる内面の愛らしさも魅力的で、四角関係の渦中にあるヒロインっていう説得力があるところも良いと思います。

紹介してもらった会社の面接では社会人通り笑いを交えながらも当たり障りのない受け答えで卒なくこなしたが、自分がやりたいと思ったジュエリーの会社では熱弁を振るってやりたい気持ちが全面に出ていた。目までキラキラしていてすごくよかった。

状況が状況だけに、落ち込んだり悩んだりするシーンも多いけど、自分で何とかしようと頑張る前向きさとガッツがあって、悲劇のヒロインぶっていないところが良いし、応援したくなります。溌溂としたカラっと明るい雰囲気も生見さんならではの魅力だし、演技のバランス感覚が良いのか、ドタバタとしたコメディシーンが煩く感じないところも良かったです。

例のドラマの時も思いました
あれ？こんなに演技上手かったっけ！？と
今回も中々の表情豊さ含め純粋に楽しみました
となると個人的ながらもう1ステージ上がって
欲しいと感じ、バラエティを少し控えたらなと
言う思いに。特にヒルナンデスとかはもう卒業
でいいんじゃないでしょうか…

こういうドタバタする役が本当に上手だなと思う。身のこなしもよく運動神経がいいのかな？そして何をしても下品に見えないのもいい。コメディエンヌとしてすごく才能があると思います。色気はないけどこれからで十分。フレッシュさで勝負してほしい。