魔法のリノベ

一休食堂の件で自分を責める蔵之介に「自分たちの力不足です」って謝ったり、週刊誌に記事が出た時も「気にすることないからね」と小梅を気遣ったり、常に周りに目を配ってフォローする姿が、まるふくへの愛情の深さを感じさせて頼もしかったです。ただコミカルで面白いだけではなく、こういったメリハリのある演技で場面を締めてくれたり、脚本に描かれていないその役の人柄やバックボーンが透けて見えるところがさすがベテラン俳優さんだなと感じました。

過去を語る蔵之介を辛そうに見つめたり「過去は消えねえわ」と自嘲気味な蔵之介を「社長はちゃんと向き合ってきた」とフォローしたり、一番の古株として蔵之介を支えて見守ってきた小出の情や懐の深さが感じられたのが良かったです。こんなふうに過去を知った上で後継ぎとして自分を受け入れて傍で尽くしてくれる人がいて、蔵之介もすごく頼もしかっただろうな。越後との屋台でのわちゃわちゃも楽しかったです。

蔵之介と有川のただならぬ空気を察知して「この後、予定があって…」と有川に早く切り上げるよう仄めかしたり、有川が帰った後にノリノリで塩を撒いたり、まるふくを守らなければという強い使命感や意外と察しが良くて気が利く一面が垣間見れたのが良かったです。コスプレしてふざけてるだけじゃない頼もしい姿、格好良かったと思います。

小梅と桜子の関係に興味津々で「何でも相談に乗るよ～」って聞きたくてうずうずしてる感じが小出っぽくて良かったです。小梅の様子を覗き込むような下世話な視線や妙に優しげな口調で、ちょっと話したら近所中に広まっちゃいそうな口が軽くて絶対信用出来ない雰囲気を漂わせていたのもさすが。ストーリーに大きく関わってくることはないけど、まるふく工務店でのシーンに必要不可欠なキャラクターだと思います。

越後と2人でいることが多いけど、台詞がなくてもすごく目を引く濃いコンビで見てるだけで面白い。どこかオドオドして押しに弱そうな雰囲気があって、毎回3000円で水道修理を引受けてしまうような人の良さや頼まれると断れない気弱さが滲み出ているのも良かったです。台詞が少なくてもほどよい存在感があり、メンバーの輪の中にいるだけで場面が締まるところもさすがだと思います。