日本沈没ー希望のひとー

天海さんのことを一度も好きだとか言ったことないし一緒に行こうと言われてもそこまで執着していない感じだったのに、天海さんの生死が分からない事態に陥った時の取り乱し方がすごかった。それだけで大事な人なんだと分かる演技が良かったです。

ネットでも話題になっていたけどジェンキンスとの会話が素晴らしかったです。海外ドラマを見ているような違和感のなさ。表情も変化があって、話すことだけに力が入ってないのがわかりました！

総理に呼び出され、虚勢をは張って乗り切って建物を出たとたんの崩れる感じ。とても良かったのだけれど、も少し離れてからの方が現実的かも。敷地内って、まだ気を張ってる気がするんだよね。出勤停止になって、それでめげるような役どころではない気がするので、ここからの逆転？を楽しみにしたい。

映画「真夏の方程式」の時にみせた演技とかぶるところがあります。かぶっているからダメだというつもりはありません。ただ杏さんはあまり役を作り過ぎない、いわゆる「引き算の演技」を心がけている方なのかなと感じました。それもひとつのメソッドであり、充分にその役柄の役割を引き出せているならば良いわけです。実梨はヒロインというより、主人公の相棒役に近く、松山ケンイチさん演じる常盤と表裏になる部分もあります。なので常盤とは逆の表に見える不安感や正義感の表現者として、作り過ぎない自然体っぽさが良い形になっていると思います。

天海たちの会話を聞いてしまってからの動揺がリアル。いつもの会議のメンバーがまだまだ余裕って感じだったけど、あんちゃんの怖がり方で初めてヤバいことが起きているって実感するほど。お母さんとの会話に動揺を隠しきれてないけど、なんとかしなきゃって感じがすごくよかった。

隠し撮りした音声を再生して、関東沈没が半年以内で確率７割と知った時の表情と手の震え。そして、母との会話をしながらの涙目。そうなるよなー肝心なことを言えない中で大切な人の未来を憂う苦しさが、普段の何を考えているかわからない感じと正反対な感じで、見ていて苦しかったです。

もっと感情がわかりやすい演技をする方だという印象があったので、椎名の表情が動かない、わざとらしく変化させたような演技に怖さを感じました。それが役どころとして必要なことならいいけど、ずっと変化がなかったら椎名というキャラを好きになれそうにないです。