ONE DAY〜聖夜のから騒ぎ〜

いかにもベテランの職人気質という雰囲気が出ています。キャラや設定的に倉内のプロ意識が目につきますが、この国枝もまたプロ意識の塊だと感じられます。脇役ですし、大雑把な指示を演出家から聞いたくらいだと思いますが、それに肉付けをしてしっかり誰が見てもベテランの職人気質とわかる役作りをしてみせるところが、梶原さんのバイプレーヤーとして見事なところだと思います。そしてただのおっさんが格好良くみえるというのも、役者の手腕なのでしょう。

中継後、「大スクープだったな」と桔梗と労い合う姿が良かったです。大仕事を終えた達成感と疲労感と、報道マンとしての充実感が伝わってきて、これまでもこうやって二人で組んでスクープ取ってきたんだろうなって二人の歴史が垣間見れたのも良かったです。

皆を巻き込んだと責任を感じる桔梗を「うぬぼれんなよ」と明るく笑い飛ばして、沈んだ空気を変えてあげるシーンが良かった。一人で背負い込み過ぎる桔梗を先輩として諭しつつ、説教臭さは一切なく、サラリと笑いに変えて気持ちを掬い上げてあげるところが素敵で、国枝の優しさや懐の深さを感じさせました。査子のような若手からベテランの桔梗や折口まで、幅広い世代の仲間に慕われる説得力があるところも良いと思います。

桔梗からの連絡を受けて「何か掴んだのかもしれない」と察して報道の準備を進める姿が、桔梗との深い信頼関係を感じさせました。彼女の粘り強さや負けん気の強さをちゃんと理解していて同じ報道マンとしてリスペクトしてるんだろうなあって伝わってきたのも良かった。どんなに周りが慌ただしく慌てていても自分のペースを一切崩さないドンと構えたところも、さすがベテランって感じで頼もしかったです。

社長に「目の前で事件が起きてるんですよ？！」と食ってかかるシーン、報道マンとしてのプライドが感じられて格好良かったです。相手が誰であっても自分の意見を遠慮なく口に出来る真っすぐさが素敵。こうやって正義感が強くて裏表のない人だから皆に頼られて慕われるんだろうなって説得力が感じられました。「桔梗のことだから何か考えがあるのかもしれない」という台詞も、二人が長年培ってきた信頼関係が感じられて良かったと思います。

「俺以外に誰がそんなスクープ撮れるんだよ」と迷いなく桔梗に協力する姿が頼もしくて格好良かったです。何が起きても全くドーンと構えているし、桔梗の性格も全部理解していて、チームにいてくれるだけでものすごく心強い。ベテランだけど威圧感がなく、気さくで気の良いおじさんっていう雰囲気があるところも魅力に感じます。

個人の都合で放送内容を変更できないって断りつつ、つい必死な真礼に絆されてフラン捜索の呼びかけ映像を撮影してあげるところが優しい国枝らしくて良かったです。頼ってきた人を無下に出来ない面倒見の良い人なんだろうなあって、二人のやりとりを見ているだけでその人柄の良さが伝わってくるところも良かったと思います。

事件の報道をするという桔梗に「一人じゃねえ、俺も手伝うよ」とすかさず申し出る姿、格好良かったです。上司の顔色を伺ったりせず、ブレずにずっと桔梗の味方でいるのも頼もしいし、番組最後の挨拶後、顔が上げられない桔梗を気遣う姿も長年一緒にやってきた二人の絆が感じられてグッときました。

突然話しかけてきた真礼のことも邪険にせず「どんな犬ですか？」と親身になって訊いてあげたり、地域課に行けばとアドバイスしたり、国枝の世話好きで気さくな人柄が感じられたのが良かったです。「心配ですね～」とか「見つかると良いですね」などの優しい言葉が社交辞令に聞こえないところも素敵。梶原さんの笑顔って役柄によっては怪しく見えたりやたら不気味で怖いことがあるけど、ちゃんと国枝の人柄が滲み出ているような人の良さそうな優しい笑顔に見えるところもさすがだなと思います。

ちょっと荒っぽいところはあるけど、番組打ち切りを知って怒ったり、桔梗のこれまでの貢献を称えたり、若い査子とも気さくにやりとりしたり、面倒見の良い頼れる先輩らしさが感じられる演技が良かったと思います。キー局の中継組に憤る姿も、プロの報道カメラマンとしてのプライドが感じられて良かったです。