大奥

この人の元から持ってる男っぽさが役にぴったりはまっていた感じで良かったです。
ただ、年を取ってからのシーンは全然老人に見えなかった。
しゃべり方や所作も勿論、もっとしっかり老けメイクもして欲しかった。

迫力はあるけれど、原作の吉宗の人柄とは違うオーバーな演技が目についたかも。力の入った前振りに期待したが、それほどではなかったかな…辛口で。

３人の姫の前に現れた殿はすっかり母の顔だった。仕事をしながら長女を産んだ時より更に子供たちを見つめる目が優しくなっており時間とともにしっかり母になっていったという経過を感じられてよかったです。家重を見定める目は厳しいけれどしっかりしており優しさも感じられました。

「ドラマ10」で集中的に冨永愛の演技を見ましたが、台詞回しや演技がなかなか良かったです。出演ドラマを見たのは大奥が初めてでしたが、失礼ながら意外でした。

これまでの愛だの恋だのという殿様と違って職務に邁進する殿様なのでさっぱりと男っぽい富永さんでいいと思います。町中に出向いて知る国難に唇をかみしめてこれじゃいけないと立ち上がる姿は今の政治家にも見習ってほしいと思いました。

男女逆転の世界にも関わらず、このスカッと感は素晴らしい。「だまりゃ！」の迫力と威圧感。姿形が美しいのは冨永さんならば当然と思えますが、声の圧の自在ぶりに脱帽です。馬で浜辺をかけるシーンは長年の練習のたまもの。素敵でした。

海岸を馬で颯爽と駆けていく姿はまんま暴れん坊将軍で凛々しくてカッコよかったです。普通の時代劇なら背が高すぎてどの配役にしても浮いてしまいそうですが、今回は男女逆転の大奥。殿様としての威厳も出て良かったです。

何歳で将軍になったかは知らないけれど落ち着きすぎているのも相まってとても年寄りくさく思えてしまった。だから初めての相手と言われてもピンとこない。あれだけの男を従えなくてはならないから重厚感は大事だけれど一応恋愛ものの要素もあるから、違ったかな。