警視庁アウトサイダー

どんな役を演じてもだいたい予想がつくような似た演技をします。ナチュラルだといえばそうなのかもしれないけど、見ている方としてはまたかという感じもしてしまいます。このドラマは必要以上に役にいろいろな個性を乗せようとして失敗しているのに、ちょい役のせいなのか、柳葉さんに遠慮したのか、何の工夫もないキャラでした。ここまでやるなら徹底してどのキャラにもいろいろ乗っけるべきだったのではないかと、首を傾げます。いくつかの役だけシリアスというのは中途半端に感じてしまう猥雑な作りだからこそ、どうせなら徹底して欲しかった。

フラグ立ちまくりで案の定…って展開だったけど、蓮見に「架川のこと頼む」と頭を下げに行く姿だったり、架川と対峙する時の悟ったような表情だったり、自分で幕引きをする覚悟が随所で感じられたのが良かった。語り口は淡々と落ち着いたものだったけど、たまに見せる唇をグッと噛みしめる表情が、後悔や諦め、自責の念など色んな感情を思わせて、こんな秘密を抱えたまま、これまでどんな思いで架川と酒を酌み交わして来たんだろうと切ない気持ちになりました。

しみじみと楽しげに架川と酒を酌み交わす姿が、父親のような包容力と温かさを感じさせ、架川が絶対的な信頼を寄せる説得力がありました。架川の話を親身に聞いたり、昔世話した店主の成功っぷりを自分のことのように喜ぶ姿も、藤原の面倒見の良さが感じられて良かったと思います。