リコカツ

「美女の泣き顔は反則や、惚れてしまうやろ。」って感じで、泣き顔のシーンだけでやられてしまった。今までの北川さんは表情で演技しない役柄が多かったので、勝手にクールな人と思っていた。今作の主人公「咲」の喜怒哀楽が、しっかり表現されているリコカツの演技は、新境地を開いたかのように魅力的に見える。シーンのバックに流れる主題歌「ペールエール」の歌詞で「貴方が見据えた未来に私もいたい」の所は、いかにも咲が言った言葉のように思えて愛しい。TBSさん、いいドラマをありがとうです。

怒ったり泣いたり笑ったり、感情豊かにコロコロ変わる表情や、顔が崩れようとも構わずに咲の気持ちを表現しようとする体当たりな演技が、いつも一生懸命で不器用な咲そのものという感じがして役にハマっていたと思います。どんな服装も髪型も何でも似合って美しく、誰と並んでも適度な身長差があって絵になるし、3人の男性に想いを寄せられる説得力があるところも良かったです。ラストのキスシーンの背伸びも可愛かったです。

紘一に本当の気持ちを告げるシーン、とても良かったです。顔をクシャっと崩して泣きながら叫ぶ姿が紘一への愛の深さを感じさせて、美貌が映えるように計算されたどのカットよりも美しく見えました。自分を綺麗に見せることより、咲の感情表現を最優先させるところにも好感が持てます。美しい人は何をしていても、どんな表情を浮かべても魅力的なんですね。久しぶりに咲さんの幸せそうな笑顔が見られて良かったです。

咲のバリバリに働く姿もゆるっとしたカジュアルな雰囲気も、メイクやファッションの効果もありますがメリハリつけてうまく演じ分けていると思いました。顔面に力を入れてかなりぐしゃっとした表情になることも多くて、ただ綺麗なだけじゃない人間味のある北川景子の演技に惹かれます。

今夜のご飯はウーバーイーツです！と言うセリフがよかったです。キレるわけでもなく少し相手の出方を伺いながらみたいな塩梅がおもしろかった。今時っぽくて。綺麗だし、母親のことを大人になってもママと呼ぶすれていない女性が合っている。

演技はあんまり上手いとは思えないし、たまに台詞が上滑りするところも気になるけど、綺麗だし何を着ても似合うし、ルックスを褒められる役に違和感がなくてこの役には合っていると思います。当て書きかなっていうくらいぴったり。永山さんと身長差があるから、話しかける時に自然と上目遣いになったり、抱きつく時に背伸びをしていたり、少女漫画のひとコマみたいな姿も絵になって良かったです。

久し振りにドラマで観て、相変わらず綺麗だなあとはつくづく思いましたが、演技は「うーーーん？」というイマイチな感じを受けます。雪山で「あっ～」と転げ落ちていく前の時の演技とか、朝食に「鮭を焼いてみたの」という時の演技とか、細かい所で何か演技が下手なような印象を持ってしまって、残念になりました。ドラマや役の感じからいって、かなりドタバタして、大人しくなったり強気でわーっと言ったり変化するので、その切り替えが上手くいってない時があるような、そんな気がします。

とにかくどの場面でも最高に美しく、信じられないくらいスタイルがよくて、瑛太さんと並んでいるとファンタジーのようでした。一方ちょっと偏った考え方や、あれ？と思わざるを得ない後輩への態度の表現も上手で、魅力的な主人公を仕上げていると感じました。

細い、細すぎるよ！30歳過ぎたら少しは太らないとなんか幸薄感が出ちゃうんだよね。もうほんと細けりゃいいって文化どうにかなりませんか？そしてその細い足を出すからまた見てられない。キツい性格にも見えちゃうし、もうちょいふっくらしましょうよ。

子どもの頃から美貌が悩みという設定が北川さんならではですね。その設定通り、どのシーンでも美しくお洒落で洗練されていて、堅物の紘一が一目惚れするのも後輩に嫉妬されるのも説得力がありました。生活感のない方なので、家事が苦手というところも違和感がなくて、それでも頑張って魚を焼いたり、料理本を読んだり、咲なりに努力する姿が可愛らしかったです。正直、そんなに演技が上手いとは思わないけど、北川さんにしか出来ない役だなと思いました。