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子供が受ける痛みは自分が受ける以上の痛みになるのも母親、できることなら全てから守ってあげたいと思うのも母親。少しかまい過ぎにも感じたけれど、それも母親だからなんだよね。少し重たい気もしたけど分かるなーと思いました。そして手放して自分で幸せを見つけた想くんをすっきりした笑顔で見守るところまで見られてよかったです。

紬と二人で話す時の、最初はちょっと遠慮がちで距離があるけど、徐々に打ち解けていって笑い合う姿が見ていてほのぼのと幸せな気持ちになって良かった。母として悩んで苦しんで…という姿を見てきたから、こんなふうに息子の好きな人と笑い合う姿を見ると胸がいっぱいになります。「ありがとう」とは言わないけど、紬への感謝の気持ちが伝わってくる和やかな雰囲気もとても良かったです。

萌が想に会わずに帰って来たと聞いた時も、萌が誰にお礼を言ってきたのか察した時も、これまでの律子とは違う穏やかですっきりした笑顔を浮かべていて、想とのわだかまりが解けて家族皆が良い方向に変われたんだなと感じられたのが良かったです。表情だけで「想なら大丈夫」という安心と信頼が伝わってくるところも良かったと思います。

なんでも言い合えちゃうからこそ言いすぎてしまう娘との関係と、何にも言ってくれないからこそ干渉してしまう息子との関係がリアルだなと思いました。久しぶりの息子との会話は最初は身構えていたけれど、少しずつ二人とも分かり合っていくうちに笑顔になっていくのがすごく良かったです。

想と本音で語り合うシーン、瞬きをせず一生懸命想の手話を見つめる真剣な表情も、お互い素直に自分の気持ちを伝えあう姿もとても良かったです。話をするうちに表情も声のトーンも明るく晴れやかになっていくところも、互いのわだかまりが解けていく感じが伝わってきて良かったと思います。

私生活が浮かんできてしまい、集中が途切れてしまいます。

自分からは会いに行かず「顔が見たいって伝えといて」と萌に託けたり、「使わないと手話忘れちゃうね」と寂しそうに笑ったり、想に会いたいという気持ちが表情にも声にも溢れていて切なかったです。帰省した想を見つけた時の驚きと嬉しさが入り混じった表情も、想が家に入っていく後ろ姿をしみじみ見つめる姿も、想が帰ってきた喜びを噛み締めてるのが伝わってきて良かったと思います。

医師に想の病気が遺伝性のものかもと言われてた時からずっと自分を責めて責任を背負いこんでるような、陰と哀しみを感じさせる演技がとても良いです。心配でたまらないから過干渉になるし、傷ついて欲しくないから音のない世界に閉じ込めようとする。それが想を大切に思う母の愛であるのはもちろんだけど、律子自身もそれで安心したいというエゴがほんの少し滲みでているところもリアルで良かったです。

元々子供思いで優しいお母さんだったんだろうなーと想像できます。それも子供の痛みを全部自分の痛みとして引き受けちゃう人。だから想の病気は自分のせいだし、想が聴けなくなったCDは勝手に片付けちゃう。なんでも自分のせいにしてやつれた顔、そりゃ子供たちは苦しくなっちゃうだろうよ。

想のお姉ちゃんに私たちが喋りすぎるからみたいなことを言われていたのを見てハッとした顔をしたのが母親として分かるなーと思いました。子供に平等に接しているつもりなんだけど、大人しい子は気になっちゃうんですよね。心配性のお母さんらしいエピソードが多いけど、想に彼女ができたら介入しちゃうのかな？ついつい出てきちゃいそうで怖い。

娘が少しでも返事をしないと普通の親は怒るけど、想のことがあったから萌も？と思って心配してしまう。子供からするとちょっと重いよなーって見てるけど、母親からしたらその気持ち分かります。少し疲れていて生活感がありますね。