この素晴らしき世界

まんまなんじゃないかってほど普通のおじさん。中でも無意識で妻をイライラさせる演技がすごく上手い（笑）靴下半分だけ丸めて履いてるやつとか意味不明な仕草に妻は少しずつイライラを溜めていくのよねーと感心した。しがない普通のおじさんがとても似合っていたからこそ部下のために頭を下げたところとかがカッコよく見えた。

芝居が上手いとか下手とかいうよりも、マキタさんの人間観察力がよく出ているんじゃないかと思います。家での様子は面倒くさいおっさんそのもので、昔釣った女房になんて餌ぐらいはやるけどほぼ気にしないという感じで、でも会社ではたまに格好いいところもある。そして何だかんだいって最後にはしっかりと妻を思いやる愛情を持っている。まあイメージとしては団塊からちょっと下まで、おそらくマキタさんが見ていたおじさんたちの雰囲気なのかな。いい感じでした。でも現実なら美女と野獣で、普段からもっと大事にしろよと言いたくなるけどね。

部下の態度を一度は見過ごそうとしたけど思い直して部下の代わりに頭を下げたところがかっこよかったです。姿勢もきれいで誠心誠意という言葉がピッタリでした。そんなかっこいいことをしても家に帰るといつもの憎たらしい夫に戻っていたのがなんだかいいなと思いました。

いるいる、意見すると気分を害してめんどくさくなる人（笑）みんな家族には同調してほしいものなのかなと思って見てました。ほんとにどこにでもいるおじさんの愚痴やおじさんのくせを出すのが上手いなー。半分だけ履いた靴下が絶妙にイラつきます。

なんかもう気遣いゼロの空気感に妻が嫌気がさすのが分かりますよね。自分が悪いなんて思ってもみないというか、みんなこんなもんだろうと思って開き直ってる感じがムカつきます。家に帰ればこの夫がいるという、現実と夢のギャップがいい感じに出ていて良かったです。