海のはじまり

海ちゃんのお母さん候補からお友達になった弥生さん、重荷が取れたように肩の力が抜けて明るく軽やかになってこれで良かったんだなーと思います。海ちゃんとのお友達デートも終始にこやかで楽しそうよね。こういう第三者って必要だなと思う。

夏くんに別れ話をしにやってきたけど、天気の話とか明るい話題から入るのが返って次の話題は重いんだろうなと思わせてドキドキした。海の前ではしっかりしなきゃの顔で夏だけの前ではかわいらしく相応の顔、使い分けが上手いと思った。

夏と別れ話を切り出すとき、それまでの心情の変化を説明するのだけど、すでにここまでの演技でその変化を表現できていたのが凄い。セリフになってみるとそれまでの弥生の芝居の変化そのものだった。

すごく繊細な演技が上手いと思う。海ちゃんのネックレスに手をかけて夏くんに怒られた時とかすごく傷ついたんだなと思ったし、それをグッと飲み込んで優しくするところも切ない。彼女にこんな顔させるなよと思ってしまう。

弥生ちゃんがどんな時も静かに笑うから切なくなる。もっと自分を出したらいいのにどんな時も二の次で、誰かに強い言葉を投げかけられた時もその言葉を飲み込んでしまう。我慢強さがとても心配になる。いつか爆発してくれとさえ思ってしまう。

夏くんに髪の毛を結ぶことを練習させるシーンは久しぶりというか初めて見るくらいのカップルモードで笑顔がいつもよりリラックスしていて可愛らしかった。その笑顔がかわいらしいほどいじらしくて、無理してないかなと心配になる。今一番弥生さん推しです。

このドラマで一番感情移入してしまうのは弥生さんだ。どこにも繋がっていないところで薄い壁をいろんなところで感じながらも健気で強い。弥生は弥生の過去と一生懸命戦い今に傷つきながら立っているように見える。痩せちゃうのも当然な役だよね。

はじめから夏とは姉さん女房的カップルで描かれていたので予想はできましたが、弥生ちゃんがすごく我慢強くしっかりし過ぎているのがこのカップルの問題でもあるんだろうなと思いました。有村さんの中のしっかりしたブレない核の部分が見えて弥生ちゃんが逞しすぎて悲しくなります。

誰しもが自分が軸であるはずなのに、今の弥生は自分の感情も思いも空っぽにして夏くんを支えようと考えているところが健気で素敵。彼にあんな事実が分かったらそりゃ痩せちゃうでしょ。努めて冷静に落ち着いた声で相手をせかすことなく、夏くんの言葉をじっと待つ仕草がいいね。

おっとりした夏くんといい感じのシャキッと感がある弥生。姉さん女房的ないい組み合わせに見えました。ラブラブな恋人というよりはもう少し落ち着いて将来を見据えたカップルに見えました。嵐の前の静けさって感じがしてザワザワします。