VIVANT

他の実力者俳優の皆さんと違和感なく馴染んでいて、とても自然体で良い芝居をされていると感心しました。

演技に深みがないし個性も無いから周りいの役者に埋もれて浮いている。これっていうこの人じゃなきゃいけなかった理由が見つからない。声は聞き取りやすくて良い。

ジャミーンや乃木に対する深い愛情がそこかしこにあり素敵だなと思いました。堺さんとは歳の差がずいぶんあると思いますが、時にお姉さんに見えるほど落ち着いて慈愛に満ちる笑顔が乃木さんを包んでいました。目玉焼きを作るシーンの動画は乃木さんの癒しとなったことでしょう。ヒロインとして申し分なかったです。

最終回で「おかえりなさい」と乃木を抱き締めるシーン、とても良かったです。そっと大切なものを労わるような優しい抱き方が恋人というより家族のような、より大きく深い愛情を感じさせて、ジャミーンも一緒に３人で抱き合う姿が温かくて優しくてグッときてしまいました。

薫にはもしかしたら続編に結びつくような何か裏設定があるかもしれないけど、少なくとも今シリーズでは多難でいろいろあるわりに役柄に奥行が感じられませんでした。もちろんすべての人間に乃木やベキみたいに深い因縁があるわけじゃないけど、ジャミーンのために命を張れるくらいの信念を持っている以上、何かその裏付けが欲しくなる。たとえ表にはでてこなくても、役柄の裏側を細かに設定しておけば、単なる衝動なのか強い信念なのか芝居に差が出ると思うのだけど、どうもそういう奥行を感じませんでした。

野崎に人見知りするジャミーンに「ご挨拶は？」と優しく促すシーンや、自分の後ろに隠れてしまったジャミーンにそっと手を添える姿、何気ない仕草や口調が温かな母性を感じさせ、ジャミーンへの深い愛情が伝わってくるところが良かったです。乃木から永遠の別れのような手紙や財産を受け取っても、何で、どうしてと泣いたり嘆いたりせず、彼の覚悟をしっかり受け止める強くて逞しいところも薫らしくて格好良かったです。

乃木に抱き締められてびっくりする姿や美味しそうにお赤飯を食べる笑顔、一緒に洗い物をしたり目玉焼きのコツを教えてもらう楽しげな姿、どの表情も普通の幸せを体現したようなキラキラした多幸感に溢れていて、その姿が乃木と住む世界が違うという現実をより際立たせていたのが良かったと思います。乃木をバックハグする時の慈しむような表情も母性のような大きく温かい愛情が感じられ、年齢差をあまり感じさせないところも良かったです。

ジャミーンと話す時の優しい口調や、温かな愛情を感じさせる触れ方、穏やかな笑顔、母性溢れる姿が素敵で、乃木が母親の姿を重ねてしまう説得がありました。ジャミーンが目覚めた時に「本当は怖くて…」と抱えていた不安を吐露して泣きだしてしまう姿も、信念を持った強くて逞しい普段の姿とは違う儚さや諸さを感じさせ、乃木が思わず抱き締めてしまう展開が自然に見えたのも良かったと思います。

ジャミーンの手術が決まった時の喜びっぷりが良かったです。目を潤ませてしっかりとジャミーンを抱き締める姿も、フッと息を吐き出して心底ホッとしたような笑顔を浮かべるところも、バルカではもちろん、帰国してからもずっと神経を張り詰めて緊張と不安の中過ごしてきた薫の心情が慮られ、グッときてしまいました。

ジャミーンと再会した時の心底ホッとしたような表情や、愛しそうに寝顔を見つめる姿、額を撫でる時の優しい手つき、ジャミーンへの深い愛情が滲み出ているのがとても良かった。徹夜で資料を作成した乃木にお礼を言う時の口調や表情もとても穏やかで優しく、バルカで見せていた張り詰めたような表情やキツい口調とは別人のようで、いかにバルカでの生活が過酷で緊迫したものだったのか、そんな中で何年も頑張ってきた薫の精神力や医師としての使命感の強さを改めて感じられたのも良かったです。

人に噛み付くようなものの言い方がとても気になっていましたが、日本に帰ってきてからの穏やかな表情を見て使い分けていたんだなと思いました。薫にとって心理的負担が大きかった非日常でしたからね。それは当然だったかもしれません。

ラクダたちにお礼を言いながら優しく体を撫でたり、お水をあげたり、感謝の気持ちを込めて目一杯労う姿が柚木の温かい人柄を感じさせました。医師としての責任感の強さや真っすぐさ、野崎相手でも自分の意見を押し通す気の強さなどの逞しい姿だけでなく、ラクダとの接し方や命がけでジャミーンを救う姿など、優しく愛情深い一面も多く見られ、乃木が心惹かれる説得力があったのも良かったと思います。

堺雅人、阿部寛と並んで演技すると力の差が明らかで演技の違和感が作品の質を下げている。

命を狙われてると分かっているなら早く逃げなよ！と思うけどジャミーンにこだわってみんなを足止めしたりするところにドキドキしました。ただ二階堂さんの必死の演技で自分がこの土地で培ってきたことを大事にする強さが見えたのでただのわがままには見えずとてもよかったと思います。

ジャミーンを救うために奔走する姿がすごく良かった。野崎に必死で頭を下げたり、胸ぐら掴んでまでジャミーンに会いたいと頼み込んだり、治療中もずっと祈るような表情を浮かべていたり、医師としての責任感はもちろん、それ以上に親子になるはずだったジャミーンへの母性や深い家族愛が感じられてグッときました。

二階堂ふみの演技は作品によってはいいとおもいますが、vivantに関しては現在のベテランキャストに比べかなりの差がある様に感じました。
プレッシャーで周りに着いていけてないのか、それとも日劇の俳優陣には現在の経験値が圧倒的に足りてないのか他の適任の方がいる気がします。
vivantはまだ2話ですが沢山素敵な伏線を貼り後半の物凄い展開がくるはずなので二階堂さんは好きですが、そこ以外はやはり注目のドラマだと思い個人的感じでした。
ただ話数が進むにつれ素晴らしい演技をする二階堂さんに期待です！

颯爽と馬を乗りこなす姿がとてもかっこよかったです。こちらに来て三年という説得力がありました。トイレの中でのシーンはほんとに嫌そうな顔で気持ち悪がるので匂いは伝わりませんが嫌悪感はとても伝わりこちらまでゾッとしました。

緊迫した医療現場シーン、患者を確認しながら早口で指示を出す姿がとても格好良かったです。現地の言葉も全く違和感なく聞こえるし、動きも迷いがなくテキパキしているし、何の解説がなくても現地で活躍する有能な医師だと伝わってくるところがさすが。逃走劇に巻き込まれても食らいついてくるメンタルの強さと逞しさも、何が起こるか分からないバルカで生活しているという説得力が感じられて良かったと思います。