VIVANT

これが大陸系と言うべきか、圧倒的な存在感がとても目を惹き立っているだけで威圧感が出るとても貴重なタイプの俳優さんが出てきたなと思いました。日本人にはない逞しさが新鮮でした。ベキに対する敬意を表した場面がとてもかっこよく、洗練されたキレのある動きに魅了されました。

モンゴルの役者さんらしいですが、不敵さや不屈な感じが身体からにじみ出てくる感じがしました。まさにチンギスハンの末裔たちという感じです。一方で野崎たちと組むようになると、案外人懐こい笑顔を見せたり、頼りがいのあるところを見せたり、更に多様な面を見せるようになり、より魅力的になりました。こういう形で知らなかった海外の役者さんが活躍してくれるのは、視聴者としても楽しいし、演劇文化の差も感じられて面白かったです。今後も機会があれば日本のドラマや映画に出て欲しいですね。

激昂するワニズに対し、終始落ち着いた態度で淡々と状況を語る姿が格好良かったです。窮地の場に野崎とともに登場し、当然のような顔でテント側の席につくところもめちゃくちゃ頼もしくて心強かった。テントに救われた孤児だったという過去にも驚いたし、テント解散の時、立ち去るベキに膝をついて頭を下げる姿も、最大の敬意と感謝の気持ちが伝わってきてグッときました。

2回までの乃木さんたちを執拗に追いかけるところがまだ忘れられなくて乃木さんを空港で迎えた時に緊張が走る自分がいました。それほど強烈なインパクトを残したチンギスさん。正義感の強さが全面に出ていていいですね。

アイコンタクトだけで野崎と会話が成り立ってる姿が二人の間に芽生えた信頼関係の深さを感じさせて、ちょっと感慨深かったです。あんな厄介な敵だったのに、味方になってくれるとホント頼もしい。乃木に仕掛けた発信機がバレてブチ切れたり、もう1つ発信機が仕掛けてあると分かると大喜びしてドラムの頬を撫でたり、喜怒哀楽がわりと激しくて分かりやすいところも人間味があって魅力に感じます。

演技うますぎて俳優さんのこと調べました笑

野崎のペースに巻き込まれ、徐々に打ち解けて心を開いていく姿を、野崎との物理的な距離感や柔らかく変化する表情、頻繁に見られるようになった笑顔などで丁寧に表現していたのがとても良かったです。１話～２話で「絶対に敵に回したくない」という印象を強く残していたので、味方になってくれた時に尋常じゃない頼もしさと心強さが感じられたのも良かったと思います。

長髪を振り乱して鬼のような形相で執拗に追ってくる姿が迫力満点で、何度もハラハラさせられました。乃木に言った「俺の顔を覚えておけ」という言葉も単なる捨て台詞に聞こえない、今後まだ関わってくるんじゃないかって不安になるくらいの尋常じゃない執念深さも印象的でした。裏の主役か？ってくらい存在感抜群で素晴らしかったと思います。