ドクターX ～外科医・大門未知子 第5シリーズ

ドラマ内でそれぞれキャラクター性のある演技をする俳優陣のなか、この人は特に印象に残るような演技もなく、話し方も棒読みに近いような見ている側は何も感じられなかったです。このドラマ内でどんな役割を果たしていたのか分からないまま終わってしまった。

ずっと未知子を目の敵にして対立していましたが、最終回では未知子の言葉を泣きながら聞いていたり、食い入るように手術を見守っていたり、手術を終えた未知子に「ブラボー」と拍手を送るなど、猪又の未知子を認めている面や人間らしい面が見られたのが良かったです。それがどれも自然で、「猪又先生どうしちゃったの？」という唐突感や違和感がなかったのがさすがだなと思います。

トリプルたかしのキャラクターで一番好きなのは海老名先生ですが、海老名先生は大門未知子を認めきっていることもあり、大学医局のリアリティーを醸し出すには猪又先生のようなキャスティングは必要だと回を重ねるごとに感じました。
これだけヒットしていて、絶対に突如入ったら視聴者から合わないとか、代わりに加地先生出してくれとか言われるのを承知で役を引き受けていると思うので、なかなかできることではないと感じました。

大学病院の権力争いにしか目がなく、常に大門未知子に否定的でしたが、海老名先生や鳥居先生に比べて、すごく棒読みでイライラした感情を声を大きくすることによってしか表現できていないような気がしました。このドラマは演技派の方が多く出ていたので少し浮いているような気がしてしまいました。

陣内孝則さんは意外と演技が下手なのでは。ドクターXでの演技を見てて思います。蛭間院長や内神田会長への態度が大げさすぎるというか。セリフが一本調子というか。あくまで素人の印象ですが私にはあまり上手くは感じられません。

イメージとしては、軽快で、ユニークな役柄ですが、このドラマでは、白髪に、憎たらしくなるような意地悪さですね。でも、どこか憎めないような。権力に巻かれてしまう弱い感じも、面白いです。完全に悪にはなれないところが、また、良かったです。

狡猾で横柄な分かりやすい敵役で、見ていて本当にイライラしてしまいます。人を馬鹿にしたような表情や高圧的な態度をかなりオーバーに演じていますが、やり過ぎ一歩手前を心得ていてコント演技のようにならないのがさすがだなと思います。副部長3人のコミカルなやりとりもテンポが良くて面白いです。