監獄のお姫さま

シャブで何度も捕まっていて、一回刑務所を出たのに、また戻ってきてしまった時に刑務官の若井から叱られたシーンが印象的です。いつもフラフラしている感じで面白いのに、若井に言われて急に真面目な顔になる演技が上手いと感じました。

7話の卓球シーンでの顔芸や変なフォーム、叫び声など、ストーリーの本筋とはあまり関係ないクドカン作品独特の遊び場面でいつも振り切った良い芝居をしていて、印象に残ります。普通のドラマだとやり過ぎかもしれないですが、このドラマの非現実的な世界観には合っていて私は好きです。

せっかく出所したのに6話でまた刑務所に戻ってきてしまいましたが、短い回想シーンでも再犯までの心の葛藤がしっかりと伝わってくる演技が良かったです。ドラマでは刑務所生活がちょっと楽しそうにさえ見える描かれ方をしていますが、猫背さんの６話の演技で現実を突きつけられた感じがしました。短いシーンでも毎回印象に残るお芝居をしていて、出番は少なくても存在感は抜群だと思います。

5話の仮出所のシーンの演技がとても良かったです。すごく短い場面でしたが、誰も迎えに来ていないことへの自嘲気味な笑いとか、寂しげに見える後ろ姿や歩き方が印象的で、台詞がなくても表情や佇まいで役の感情を表現出来る女優さんなんだなあと改めて感心しました。

台詞も出番もさほど多くないのに、独特の存在感があってすごく印象に残ります。カラオケ大会でみんなでユーミンの大合唱をしている時も、一人だけ何故か顔をぐちゃぐちゃにして号泣していて、かなりインパクトがありました。ちょっとした仕草や話し方におばちゃん感が滲み出ていて、何てことない短い台詞も猫背さんだとクスっと笑えるものになるのがすごいと思います。

まだ2話までしか観てないのにすでに「しゃぶ厨」にしか見えないくらい印象が強いです。演技が舞台のように濃いのに不自然さを感じさせない、バランスの良いお芝居がとても魅力的だと思います。2話で馬場カヨをいじめる場面も、嫌味の言い方とか「こういう人いるわ～」というリアリティがあって上手いです。

美容院の店長として登場してきたのに主犯格ではなさそう。でも、演技は怪しさ満点でした。マッサージ探偵の時もそうだったけど彼女はこういうちょっと胡散臭い役がぴったりで今後の監獄シーンでどんな背景が描かれるのか楽しみです。