雲霧仁左衛門4

一枚のコインの表裏を成す安部式部と仁左衛門。火盗改めのお頭としては雲霧を追うものの、人間としては腐敗しきった幕府の高官たちや大商人よりも、よほど雲霧一党の方が気が合うはず！上に媚びず、部下には厳しくも情が厚く、弱者には細やかに心配りをする。理想の上司ここにあり！

火付け盗賊改め長官安部式部。鬼の一面と優しさの一面を持つ長官。一つ一つの台詞に重みを感じました。時には鬼になる、一言と、その時の目付きは迫力がありました。竹藪の中、風の中での殺陣も迫力がありました。強さと優しさを持つ迫力のある安部式部でした。

この俳優さんの当たり役。このシリーズに欠かせない火付盗賊改の「お頭」。雲霧一党の「お頭」とは表裏の関係でもある。腐敗した幕府の高官より、何事も筋を通す雲霧の方がよほど信頼できると思っているのが面白い。非情を装うこともあるが、やはり情に厚い。この人見てるとホッとする！

時代劇ならやっぱり必要なのが「お主も悪よのう」という目力鋭い役者です。主演の中井貴一がどちらかといえば涼し気な切れ長の目なので、國村隼のギョロリと鋭いくっきりの二重まぶたが最高に映えます。もちろん、着物での立ち居振る舞いは言う事無しです。

この作品の出演者でシブさ大賞を決めるとしたらこの人で決まりだ。もともと顔がいかついからというのもあると思うが、けっこう三枚目的な役もやっている。このドラマはハードボイルドの時代劇というコンセプトのようなのでシブさに徹している。しかし気になるのは、仁左衛門の行動を読んでる時もあるのだが、結局最後はしてやられるという。シブい割には間抜けな感じ。