ノーサイド・ゲーム

彼の父が元中日ドラゴンズの郭選手であることは知られているが、体格に恵まれながらも同じ野球の道を選ばなかったのは父の偉大さと比較されるのを避けた経緯があります。そうした人生の裏側があってこそ、謝罪の念や裏切りに対する繊細な表情が自然と出てくる役者だと思います。また、本心と逆行して戦う役者といった配役にも適任だと思います。

さすが七人制ラグビーの選手だっただけあり、筋肉美は素晴らしい上、ラグビーの身のこなしに切れがあり、見ていて清々しさがありました。また、少し尖ったキャラクターに相応しいキリッとした顔立ちも演技を引き立てていたと思います。

移籍してしまったのでもう出番はないと思っていたので最終回で再登場してくれて嬉しかったです。元チームメイトとの対戦とあって、キッと引き締まった表情や鋭い眼差しから絶対に負けないという闘志とプライドがビシバシ伝わってきたのが良かったです。上から目線の挑戦的な態度や発言が多いキャラでしたが、浜畑の異変にいち早く気付いて「ハマさん！」と駆け寄る姿や、佐々に「負けたよ」と声をかける姿など、里村の先輩を敬う素直さや仲間思いの熱い一面がラストでちゃんと描かれたところも良かったと思います。

プロ野球選手だった郭源治さんの二世だそうですが、お父さんよりいい男です。実際にラグビーを経験していたそうで、今回のこのドラマの里村という役はまさしくハマり役だった。自信に溢れてちょっと上から目線の役柄は地でいけたかな。移籍の時の葛藤の演技も結構良かったです。

君嶋に移籍の件を責められた時の生意気な態度が良かったですね～。「俺が2位に導いた」とか「感謝して欲しい」とか、スター選手ゆえの傲慢さやプライドの高さがよく出ていました。これくらいじゃないとプロの世界じゃやっていけないんだろうな。ただ表情の変化があまりなくてアストロズへの愛情や葛藤があまり伝わってこず、最後アストロズの皆に「すまん」と謝るシーンで感動出来なかったのが勿体なかったです。

アストロズでたった一人の代表なのに、チームを纏めようとする演技が見られないのが残念。体格に恵まれ、顔もそこそこなので女性ファンも多いはず。あのつっけんどうな態度が良いという人もいるだろうが、男性としては応援に値しない。特に、笑顔がない（印象がない）。これが一番痛い。浜畑ですら、佐々が決勝戦で後半出場する時に、肩を叩いて微笑んでいる。里村はお高く留まっているのが演出かもしれないが、意外性も欲しい。例えば、初戦、アストロスタジアムにボランティアで行った幼稚園児が来てくれていることに気付くセリフがあるが、言葉だけでなく、表情や動きで表現するぐらいのリアクションがとれるようになって欲しい。

長身と元ラグビー選手らしい鍛え抜かれた体格の素晴らしさ、華のあるルックス。アストロズのスター選手であり子供たちの憧れの的という説得力があるところが一番の魅力だと思います。試合シーンもさすが迫力満点で見ごたえがあります。勝ちたいという闘志や悔しさなど感情表現がストレートでメンバーの中でも一際強く感じられ、アストロズの顔としてのプライドと責任感が伝わってくるところも良かったです。