ノーサイド・ゲーム

8話のスタメン発表の際、浜畑を落とす事になった監督としての決断、一方で浜畑の実力を認める者としての苦悩や悔しさが表情から読み取れて泣きました。
浜畑を見て泣きそうになるのを我慢して去る、あの表情は素晴らしいと思います。

監督の割には、実際にラグビーボールを手にしていたシーンが殆どなかったので残念でした。ラガーマン（バックス）らしい顔立ち（髭）で神戸製鋼の故平尾選手をモチーフにしたのかと思いましたが、サイクロンズ戦を含む作戦を考えるシーンにおいてもっと苦悩し試行錯誤する様子があると良かったと思います。この役者だからできたという演技ではなく、主に風貌が適任だったという感が否めません。また肌の日焼けが選手と差が大き過ぎたのも違和感を感じました。（マネージャーも同様）
致命的なのは、名セリフが無かったことです。君嶋GMありきのドラマとは言え、監督らしい名言は「家族？」だけのように思えます。また、いつも神妙な表情で笑顔（微笑みを含む）が見えてこなかった点も監督役として適切な演出・演技力なのか疑問に思いました。

クールな役やチャラい役が多いですが、こんなに熱い男が似合うとは！感情をストレートに表現出来る役なので棒読み台詞も気にならないし、シュッと洗練された都会っぽさがあって、ありがちな青春ものの熱苦しさではなく緻密な戦略を立てる知的さが感じられたところも良かったです。おとぎ話みたいなアストロズの快進撃も、頼もしく有能な大谷さんの柴門だと説得力がありました。

冷静沈着な演技から情熱的な演技も見れて良かったです。涙ながらにメンバー発表し、不動のレギュラーを外すシーンはグッとくるものがありました。悩んだ末の結論だったことが表情で分かりました。また、「家族になるんだ」という言葉の時の表情が力強くて、印象に残っています。

開幕戦のレギュラーを発表するシーンでの引き締まった厳しい表情や声が緊張感を高めてくれ、選手と同じようにドキドキしながら場面に見入ってしまいました。一人ずつ、思いを込めて噛み締めるようにはっきりゆっくり名前を呼ぶ姿が印象的で、選ばれた者への期待はもちろん、外れた者への労いや敬意も感じさせました。外れた浜畑を見つめる表情がグッと涙を堪えているようにも見え、苦渋の決断だったんだろうなと胸が痛くなりました。

柴門監督という役は、「サラブレット」というイメージが捨てられません。
サイクロンズ戦対策で苦悩する演技もどこか他人事のような雰囲気が感じられました。
君嶋GMとの絡みが、孤独感や悲壮感を吹き飛ばしているからかもしれません。
演出に左右されているものの、七尾を勧誘する君嶋と柴門の各々の場面を比較すると、
君嶋は「私はね。諦めが悪いんだよ。」に対し、柴門は内容は良いことを言っているが、
見ている人の心を揺れ動かさない。大切なセリフはもっと籠らずハッキリとした
発声で熱意を伝えて欲しい。

津田監督との合同記者会見、格好良かったです。力強い口調と真っすぐな眼差しがチームへの信頼感と誇りを感じさせ、言葉ひとつひとつをアストロズのメンバーに届けようとしているような迫力がありました。会見を見たメンバーが「命がけで勝つ」と闘志を燃やすのも納得の熱さがとても良かったです。

熱血コーチ役が予想以上にハマっていますね。激を飛ばすシーンが多いけど声が太くて迫力があるし、言葉や表情に迷いが無く、ただ感情的に怒鳴っているのではなく、ちゃんと頭の中にプランがある頭脳派指導者っぽさがあるところも良かったです。この人についていけば優勝出来るのでは…という頼もしさが感じられます。

見た目はクールな雰囲気から出るセリフの言い方で熱い性格なのが分かり、上手く演じていると思います。落ち着きのある声のトーンは聞いていると安心感がありますし、何事にも動じない強い意志を表現していると感じます。

学生時代のエピソードからの印象や現在からのビジュアルからはイメージ出来なかった確かな観察眼と分析力が魅力的なキャラでした。君嶋とは意外とそこまで確執が無いような話の展開でしたが、今後どうなっていくのか楽しみです。

チャラい役や女性にモテる役が多いですが、こういう熱い男の方が似合いますね。しっかり鍛えた体も濃い顔立ちもスポーツマンらしくて説得力がありますし、熱血台詞が多くて感情が込めやすいのか、いつも気になる棒読みな台詞まわしも改善されていて良かったです。

今回の役は熱い男で、男臭さが全面に出ていてすごく似合う役だなと見ていて思います。
セリフも多く、大泉さんとのやり取りはいつも目が離せず見入ってしまっています。
笑顔も素敵ですが、真剣な眼差しで演技をしている姿は惚れます！