危険なビーナス

斉藤由貴さんの悲しそうな瞳がアドバンテージになっていたと思います。
バスタブで水に浸かりながら死んでいたシーンも裸だったし、体を張ってるな～と驚きました。
昔のアイドルのイメージからすっかり女優になりましたね。

優しそうなお母さんそのままのイメージでした。再婚でものすごい名家に入るなんて相当大変だっただろうなと思います。しかも連れ子と。結局前の夫を康治さんと共謀して早めに死なせてしまったのか、というところは不明なままでしたね。

出番は少ない。既に死んでいる。なのにこの存在感はさすが。ストーリーの重要な鍵を握っている為、亡くなった時の姿が毎話出てくるが、無表情さが不気味で秀逸。無念なのか？諦めなのか？その表情からは読み取れず謎を深める。まったく、薄幸な女性を演じさせたらピカイチ。

やっぱり存在感がすごい。回想シーンに出てくるだけなのに、禎子に目がいってしまう。伯郎が真実を突き止められた時、事件の全容がわかった時、ただ禎子が見たいというより、斉藤由貴の演技でそれを見たいと思わせる位の存在感。

良く言えば「芯が強い」のかもしれないけど、見る人によっては、言いたいことも言わずにガマンばかりしてる陰々滅滅とした鬱陶しい存在。特に気性の激しそうな祥子さんあたりから見たら、禎子さんのその控えめすぎる態度には、相当イラだっただろうなと想像できる。

もし、自分の息子が初婚で子供付きの女性と結婚すると言い出してまたまたそれが斉藤さんみたいな方だったら‥。なんか曰く付きなのか？どんな手を使ったのか？とかいろいろ勘ぐってしまいそう。だからキャスティングとしては最高だとは思う。ただ‥歳取りすぎじゃないか？

大金持ちと結婚したというのに、何が引け目なのか言いたいことも言えず、人の顔色をうかがうような毎日ではさぞかしストレスもたまったでしょうね。でもあの上目遣いとオドオドした態度は、見ている人をイライラさせる感じ。だから矢神家の人たちも、余計に彼女を疎ましく感じたんじゃないかな？