癒やしのお隣さんには秘密がある

好きな人には幸せでいて欲しいと潔く身を引くところが男らしくて格好良い。そういう台詞や表情が変にキザにならず、サラっとしてるところも坂本のキャラに合っていて良かったです。田辺との婚約指輪返せのくだりのわちゃわちゃも、二人らしい賑やかさが微笑ましくて、もっとこのカップルのやりとりも見てみたかったなと思いました。

藤子に振られた時の明るい対応、藤子に気を遣わせないようにという気遣いと気まずくならないように、これまで通りの関係に戻れるようにという坂本の優しさが伝わってきて良かったです。藤子の異変にもすぐ気が付くし、ピンチの時には寄り添ってあげたり、元気がない時にはおどけて笑わせたりと、弱ったところに付け込んだり自分の気持ちを押し付けることなく、どんな時も藤子ファーストを貫く姿が潔くて男らしくて格好良かったです。

田辺に「ちゃんと告白したから」とドヤったり、打ち合わせ中に目が合った藤子に小さく手を振る姿など、告白してスッキリしたのか今回は思い悩む苦し気な顔ではなく、明るく軽やかな表情が多く見られたのが良かったです。藤子が気を遣わないようにおどけて気楽に接したり「坂本とのことを真剣に考えてる」という藤子に「ありがとな」とお礼を言う姿も、坂本の優しさが感じられて素敵でした。

藤子のことが心配で傍にいたいけど、弱みに付け込むようでなかなか踏み込めないもどかし気な姿が、藤子への想いの強さと本気度を感じさせました。藤子へ向ける優しい眼差しと切ない表情が良いですね。利宗に事情を訊かれた時に軽々しく仁科の話をしないところも坂本の誠実さや信頼出来る人柄が感じられて良かったです。

仁科の怪しさに気付けなかったと後悔する田辺を「十分やったよ」と励ましたり、仁科と真摯に向き合って話をしたり、単なる筋肉バカではない優しくて芯のしっかりした姿が見られたのが良かったと思います。仁科の告白を聞いている時の辛そうな表情も、自分と同じように藤子を大切に想う気持ちに共感しているのが伝わってきたし、終始落ち着いた態度と静かな口調で対応する姿も取り乱す仁科の気持ちを慮る坂本の配慮が感じられて良かったです。

偶然を装って何度も自分の前に現れる仁科を思いっきり警戒している姿が印象的でした。仁科のことをだいぶ初期の頃から怪しんでいて随分勘の働く人だなあって思ってたけど、こういう背景があったんですね。藤子と同じ会社で仕事をして、彼女のすぐ隣を歩きながら楽しげに会話をする坂本の姿は、名前も知られず遠くから見守ることしか出来ない仁科にとって心底羨ましくて妬ましいものだったろうなと、ストーキングかエスカレートする説得力が感じられたのも良かったと思います。

藤子のいるバーに息を切らして汗だくでやって来る姿が藤子への想いの強さを感じさせました。おどけて藤子を笑わせるところも、彼女の不安を和らげたいという優しさが伝わってきたし、仁科をおびき出して直接対決するシーンも自分が藤子を守るんだという強い意志と仁科に対する怒りが感じられてとても頼もしかったです。

藤子のことが心配で堪らない様子が、もどかしげな表情や仁科について忠告する時の少し責めるような口調からしっかり伝わってきました。自分の気持ちを伝えて困らせたくないし、でも藤子のことは守りたいという不器用で優しいところが坂本らしくて切なかったし、「不器用過ぎて放っておけない」と田辺がアシストしてしまう説得力があったのも良かったです。

「仁科さんには絶対に秘密がある」と疑い続ける警戒心の強さや、ストーキング現場に遭遇した時に証拠動画を撮影する機転の良さ、仁科と対峙した時に彼の態度に違和感を抱く鋭さなど、仁科のストーキングがエスカレートしていく中、坂本の存在がすごく頼もしく感じられます。柏木に「蓬田の親父みたい」って言われてたけど、その台詞の通り、自分の想いを成就させたいということよりも、藤子を守りたい、幸せになって欲しいという気持ちの方が強く感じられるところも素敵だなと思います。

職場でガチ筋トレしながら田辺に話しかける姿、田辺の言う通り確かに暑苦しくて鬱陶しいけど、この筋肉バカみたいな明るいノリが、坂本の裏表のない健全な雰囲気に合っていて好感が持てます。何度も偶然って起きるものなのか？って仁科のことを怪しむ鋭さも持ち合わせているし、警戒心バリバリだから仁科に丸め込まれることもないし、頼もしくて藤子の周りにいてくれるだけで心強い気持ちになります。藤子を見つめる時の目を少し細めた穏やかで優しい表情も素敵です。

「大抵のヤツは倒せる」とおどけながら格闘技自慢をするシーンが坂本らしかったです。上村の件で元気のない藤子を励まそうとする優しさと暗に「お前は俺が守るよ」という意志表示してるようにも見え、坂本の藤子への想いが感じられて良かったです。仁科と対面した時のピリついた空気や緊張感も、互いにけん制しあってるのが伝わってきて、今後の3人の関係の波乱を予期させて良かったと思います。

男性陣みんな、癖が強かったり思考がヤバかったりとハードなキャラばかりなので、気さくで爽やかな坂本が登場するとホッとします。常識的で普通に会話が出来る感じが安心する。「最近肌ツヤが良いな」なんてセクハラまがいの発言もサラっとさりげなくて厭らしさがなく、聞いていて嫌な感じがしないところも坂本のキャラに合っていて良かったです。

藤子がランチしてる傍でいつも筋トレしてるし、田辺との会話にも聞き耳立ててたり、藤子のことが気になってるのがバレバレな態度が中学生男子みたいで可愛らしかったです。仁科のことを最初から怪しんでいたり「本当に悪いヤツほど善人ヅラする」と核心をついた発言をするなど、ただの三枚目キャラではない意外と鋭い一面があるところもギャップがあって良かったと思います。